「新しい日常」への違和感 202X年のある日、「あの頃大変だったよな、正直ちょっとビビった。でもまぁ、どうにかなるかな、と思っていたら、ま、あの程度で済んだんでよかったなって感じ」とコロナの昔を振り返る。そう終わればいいなと多くの人が不安を抱えながら、いま考えているのではないか。この「いま」とはこれを書いている2020年7月31日。そう終わるだろうか…。 この数ヶ月、20世紀の戦争の本をいろいろと読んでいる。戦争という「非常時」が、コロナ下の現在とよく似ているのに気がつく。非常時を、何とか「新しい日常」だ、と政府が人々をなだめようとしている図式に、お定(さだ)まりの「民に不安を与えてはならない」というこの日本列島近代のやり口がよく現れている。 淡々と変化なく、それと感じずに過ぎていくのが「日常」であって、そこに時々、お正月やお祭りなどの「非日常」、ハレの時間が現れる。だから「非日常」はあっ