開館14年目を迎える山口情報芸術センター[YCAM]。進化するアートセンターを標榜し、新たな価値を創るというベクトルは保ちつつも、毎年のように目まぐるしくその活動手法を変えていく。時代とともに、そして地方都市というスケールが可能にする「手触りのある社会」と呼応しながら、アーティスト、クリエイター、研究者、市民、すべての多様な創造性が混淆するプラットフォームを目指す。いま、その中核をなすラボ機能の可能性が大きな跳躍を見せている。「関係性をデザインする」ミュージアムエデュケーターの視点から、公共文化施設がラボを持つ意味、そして社会との有機的な接続の可能性を考察する。 コロガルガーデン(2016、YCAM) 写真提供=山口情報芸術センター[YCAM] 撮影=山中慎太郎(Qsyum!) 社会基盤としてのラボの可能性 撮影=左上右下:丸尾隆一(YCAM)、右上:山岡大地(YCAM)、右下:大林直行(