知り合いの人が最近、車を買った。人もうらやむドイツの有名な高級車である。ディーラーで購入を決め、さてオプションを選ぶ段になって、驚いたという。種々の選択肢から自由に選べないのだ。いくつかのオプション群がお仕着せのセットになっていて、そのどれかを買うしかない。高い値段を払ったのに、顧客の自由な選択権がないのだ。 「ドイツの提唱するIndustry 4.0の目標の一つが『マス・カスタマイゼーション』となっていますけど、当然だと思いました。」とその人は語った。「だって全然、お客の個別の注文に応じられる状態になってないんですから。日本の製造業の方がはるかに先を進んでいますよ。」 マス・カスタマイゼーションとは、大量に生産しつつも、個別の要望に応じたカスタマイゼーションができる生産形態のことを指す。日本ではどの自動車メーカーでも、色や内装や電装品まで多数あるオプションを、個別に自由に選べて、それでき
![欧州におけるIndustry 4.0 − その虚像と実相(2) | タイム・コンサルタントの日誌から](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/11f16699222af38f8b897938d73175adf316a2c1/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpds.exblog.jp%2Fpds%2F1%2F201707%2F01%2F47%2Fe0058447_19514323.jpg)