1983年7月27日、奇しくも「任天堂ファミリーコンピュータ(以降ファミコンと略)」の発売と同年同月(ファミコンは7月15日)のその時、玩具店に突然異形なゲーム機が展示・販売された。 その名はバンダイ「コンピュータビジョン・光速船」、真っ黒な筐体に9インチモニタを縦置きで内蔵、かつ据え置きで本体に収納可能なコントローラ内蔵という先進的過ぎたデザインといい、「ベクタースキャン方式」という洋物アーケードゲームでしか見なかった特殊な表示方式といい、その全ては色んな意味で圧倒的だった。 もっとも一番圧倒的だったのは「定価54,800円」という高価格だが。ちなみにファミコンは「定価14,800円」である。 他のゲーム機と比べて圧倒的な高性能と良質なソフトを揃え、その後一大ムーブメントを起こす「ファミコン」の陰に隠れ、そして何時の間にかその他大勢のゲーム機と同様に消えていった「光速船」。 「ベクタース