3年前、アドビが始めた“起業家発掘”プロジェクトが大きな反響を呼んでいる。リスクを最小限に抑えつつ、成功するビジネスを生み出す方法とは。 「フォトショップ」や「イラストレーター」など、クリエイター御用達のツールの数々を世に送り出してきたアドビ システムズ。その同社で3年前、社内起業を促す画期的なイノベーション・プログラムが開発され、話題を呼んでいる。「アドビ・キックボックス」と呼ばれるそのプログラムは、かなり大胆かつ奇抜な内容だ。 参加希望者は、社内で開かれるワークショップに参加し、そこで1,000ドル(約12万円)のプリペイドカードなどが入った赤い箱(通称レッドボックス)を渡される。そのお金を使って、自分が考えたビジネスのアイデアを自由に試していいというのだ。誰でも参加でき、上司の許可は不要。完成までの期限もなく、失敗してもペナルティーはない(そもそも参加していることをだれかに話す必要が