で、ロードショーでは、どうでしょう? 第149回。 「なんか最近面白い映画観た?」 「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」 『ぼくのエリ 200歳の少女』 吸血鬼映画史上屈指の傑作の一本に数えられるであろう逸品。 主演の少年少女が圧倒的。 撮影のホイテ・ヴァン・ホイテマは、一気に売れっ子カメラマンとなっている。 北欧子供映画の伝統が産んだ伝統の勝利ともいえる。 その幻惑、淫靡、甘酸っぱさ、憚られる甘美さは、特筆されるべき。 映画が闇をまとったメディアであることを再実感できる危うさを持ちえている。 トーマス・アルフレッドソンは、丁寧に丁寧に描写を重ねることで、リアリティを積み上げている。 途中に一か所ある中途半端なスクラッチ修正は映画そのものを貶める愚行。 原作小説のタイトルは『モールス』で、キスを表すモールス信号の使い方は、映画ならではの使われ方で、胸を締め付ける。 このジ