で、ロードショーでは、どうでしょう? 第128回。 「なんか最近面白い映画観た?」 「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」 『月に囚われた男』 硬派なSFサスペンス。 時代は近未来。 舞台は月のヘリウム3の採掘ステーション。 主な登場人物はサム・ベルだけ。でも一人じゃない。 もう一人、まったく同じサムが現れる。 これはどうしたことだ? 妄想か?複製か? 実験か?陰謀か? 原題は『MOON』で、その硬質さに、地球に対する月という衛星という関係も物語を表している。 どうやら、邦題は『月に囚われた男』は、監督の父であるデビッド・ボウイ主演の『地球に落ちてきた男』になぞらえているようだ。 サム・ロックウェルの突き詰めた演技と、ダンカン・ジョーンズの情熱に裏打ちされた緻密な計算が息つまりながらも、自分というものの対話、意思の抵抗を静謐に描き出す。 もう一人、重要な登場人物がいる。 人
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