で、ロードショーでは、どうでしょう? 第170回。 「なんか最近面白い映画観た?」 「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」 『瞳の奥の秘密』 2010年の米アカデミー外国語映画賞に輝いたサスペンス。 25年前の未解決殺人事件を題材に小説を書き始めた孤独な主人公が、葬られた事件の真相と改めて対峙していくなかで、次第に封印していたはずの愛も甦らせていく。 小説の実写化で、共同脚本に原作者が入って、実に見事に映画のストーリーとして組みたてている。 主人公が小説を書こうとしているだけあって、ある言葉のネタは、ひざを打つ。 実際には、アルゼンチンの当時の政治状況などが、色濃く反映されているのだが、そこをうまく状況描写にとどめて、25年の重さに変えている。 事件に、政治に、翻弄される愛のメロドラマが潤すようにしみわたっていく。 時間をうまく並べた構成と編集だけでなく、思い出としての映像