NHKが海外向けに流す国際放送をめぐり、NHK経営委員会の古森重隆委員長が「日本国民の立場に立って国益を主張すべきだ」と発言したことが論議を呼んでいる。「国益」という言葉に対し、一部メディアが批判。朝日新聞は3月26日付で「(NHKは)国の宣伝機関ではない」との社説を掲載した。日本民間放送連盟(民放連)も国益発言について、国際放送への出資に難色を示した。しかし、識者からは「日本のマイナスにならないことを主張するのは当たり前」との声が上がっている。 発端は、放送法改正(4月1日)に伴う国際番組基準の一部変更をめぐる、3月11日の経営委員会での発言。古森氏が「利害が対立する問題については、日本は当然日本国民の立場に立って国益を主張すべきだ」と訴えた。 古森氏は同月25日の経営委員会でも、「国益」に触れ、従来国際放送の番組基準の中に明記されている「公的見解ならびにわが国の世論の動向」の趣旨とほぼ