東日本大震災で親類7人を亡くし、引退を撤回したオートバイ・ロードレースの元国内王者、伊藤真一選手(44)(ホンダ)が15日、復帰戦となった国内最高峰の全日本選手権第1戦(三重・鈴鹿サーキット)で3位に入った。 一時は首位に迫る熱い走りで会場を盛り上げ、「被災者の皆さんに楽しんでもらえたなら本望」。被災地で役立ててもらおうと、この日の賞金などでバイクを贈る考えを示した。 開幕セレモニーで「東北に勇気を与えたい」とあいさつ。黒いヘルメットで哀悼の意を表して臨んだレースは、予選4位から順位を上げ、表彰台ではひときわ大きな拍手を受けた。 伊藤選手は経営する宮城県岩沼市の自動車販売店で被災。親類7人が津波に流されるなどで死亡し、がんで闘病中だった母弘子さんも直後に亡くなった。