上智大学で行われた脳科学者・中野信子氏の講義の模様をお届けします。今回のテーマは「遺伝と環境」。本パートでは、決められた19の数字から1つ運命の数字を選ぶ「運命と抵抗」ゲームを元に、自分の意思で家庭環境は選べないとする「親ガチャ」の問題について語られました。 「運命」と「抵抗」ゲーム 中野信子氏(以下、中野):みなさん、よろしくお願いします。中野信子といいます。 これからゲームをします。これから私が19個の数字を表示します。同じ数字は二度と表示されません。その数字を見て、みなさんには2つの選択肢があります。「運命」か、または「抵抗」。 ただし、「運命」を選べるのは1回だけです。「運命」を選ぶと、その人はそれ以降の数字に対する選択権を失ってゲームは終わりです。あなたが「運命」と言ったら、その数字がまさにあなたの「運命」です。 「抵抗」を選ぶと、その数字を捨てることになります。その数字は二度と
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