もし集中力ややる気、高揚感など“ちょっといい気持ち”を高めてくれるという薬(しかも違法ではない)があるとしたら、あなたは使ってみたいだろうか? この質問に、「怖いけど、ちょっとくらいなら使ってみたい」「ここぞというときには、頼ってみたい」と答える人は少なくないかもしれない。それはこの先、知らず知らずのうちに依存に陥るかもしれない危険を意味している。 「ええっ、まさか」と思うなかれ。そのからくりを本書は解き明かす。 アルコール、ギャンブル、買い物、過食、拒食、インターネット、セックス、万引き……こうした薬物なき依存症は、これまでもたびたび社会問題にされてきた。しかし、それらの多くは長年こころの問題とされ、弱さの克服や周囲の支えが依存からの脱出の鍵だと思われてきた。 だが、本書で主に扱っているのは、これまであまり目を向けられてこなかった、新たな依存症ともいえる薬物依存の話である。 「ヤク中って