アスベスト(石綿)を断熱材に使った煙突から石綿粉じんが飛散しやすいことが複数の研究者の調査で分かった。煙突頂部で高い濃度の石綿繊維を確認した。石綿を使った煙突は、学校教育施設や公民館など、全国で数万本残っている可能性があるという。通常、問題となる建物の解体時以外にも石綿が飛散している可能性を示す結果で、国土交通省社会資本整備審議会アスベスト対策部会は「早急かつ重点的な調査が必要」と指摘。独立行政法人建築研究所の古賀純子主任研究員らが日本建築学会で、東京労働安全衛生センターの外山尚紀・作業環境測定士らが大気環境学会で、それぞれ14日に発表する。 問題が指摘された煙突は主にボイラーの排気、排熱用。内側に石綿断熱材が使われ、鉄筋コンクリート建物に組み込まれたものが多い。公共、民間いずれの場合もあり、病院や社屋、店舗、寮なども含め、幅広く使われているという。 古賀主任研究員らは国交省の事業とし