結婚しても別々に住む「別居婚」が注目されている。男女関係や不倫について20年以上取材を続けるフリーライターの亀山早苗氏は、「女性の社会進出が進んだことで、個々人の自由が確保できる別居婚を選ぶ夫婦が現れ始めた」という——。 「個」を意識する人たちが増えている 「婚姻届を出して同居する」のが一般的な結婚の形ではあるが、ここ10年くらいの間に、さまざまな結婚の形を選択するカップルが増えてきた。婚姻届を出さない事実婚カップルが典型的な例だろう。背景には別姓を選択できないこと、婚姻届を出すメリットが感じられないことなどがある。事実婚の方法も、公正証書で証明する事実婚、住民票に「妻(未届)」と記載するカップルなどさまざまだ。 中でも最近、よく聞くのが「別居婚」だ。これには2通りある。ひとつは結婚する若い世代が最初から別居を選ぶ、もうひとつは子どもが巣立った熟年夫婦が縁婚はせずに別居を選ぶこと。いずれも