前回の「企業で使ってこそ分かるIMの本当の価値」では、インタスタントメッセンジャー(IM)をコミュニケーションの道具としての観点から取り上げた。IMは日々交わされる「揮発性情報」を効率よくやりとりできることに加えて、在席情報を示すプレゼンス機能が実はコミュニケーションメディアにもなり得る。一方、現場の社員はIMの導入を歓迎する傾向がある一方で、経営層には効果がなかなか理解されないという問題点についても触れた。 ただ、筆者があらためて指摘するまでもなく、実際のところ国内ではIMの企業導入が期待ほど進んでいない。いろいろな市場調査リポートで高い普及率が示されることの多い欧米や韓国などとは対象的だ。日本人には「メッセージを送ったら相手の仕事を邪魔してしまうかもしれない」といった惻隠(そくいん)の気持ちがコミュニケーション習慣として根強く存在するため、一朝一夕に変化を求めるのは難しい。ベンダー側に