今、古くて新しい「炎症」という病理が、現代医学で新たに真剣に研究されてきています。ほとんどすべての病気には炎症が関係しているというのです。 炎症の定義は、一言でいうと、有害刺激に対する生体局所の防衛反応であり、発赤、疼痛、発熱、腫脹をきたすということになります。 しかし、これでは何のことか素人にはよくわかりません。 そこで、指先のことを考えてください。 酸素を多く含んだ動脈は体の抹消に行くほど細くなり枝分かれしていき、ついには一層の内皮細胞のみからなる壁の薄い内径の小さい毛細血管となります。そこでは、血液と血管周辺の組織や細胞が薄い内皮細胞のみを介して接触することになり、初めて血管内外の物質の交換がおこります。このあたりを微小循環系と呼びます。 生体の組織に、ウイルス、細菌、寄生虫、化学物質などの異物が攻撃を加えると、生体はこれらを貪食、分解、被包隔離して自らを守ろうとします。