もし私たちが、ある日から耳が聞こえなくなったり、目が見えなくなったりしたら? これまで当たり前にできていたことができなくなる恐怖にとらわれ、ただただ運命を呪い、我が身の不幸を嘆いて過ごすでしょうか。それとも、運命に立ち向かい、前向きに生きていくでしょうか。ロンドンのサイエンス・ライター、フランク・スウェインさんは後者のタイプでした。 きっかけは補聴器 スウェインさんは20代の時から徐々に耳が聞こえなくなり、二年前から補聴器を使い始めるようになりました。はじめは大きなショックを受けましたが、同時に『聴こえること』の重要さについて考えるようになり、本来聴こえないものを聴こえるようにする新しい技術を作れないかと考え始めるようになりました。そんなスウェインさんが目をつけたのが『Wi-Fi』でした。彼は、サウンドデザイナーのダニエル・ジョーンズさんとタッグを組み、補聴器を通してwi-fiネットワーク
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