石油元売りの業界団体である石油連盟の天坊昭彦会長(出光興産社長)は18日、国際指標となる米国産WTI原油の先物価格について「このままいくと夏までに100ドルを超えるのではないか」と、原油高に懸念を示した。原油の需要は世界的に落ち込んでいるが、投機資金の流入が価格を押し上げている。 WTI原油の先物価格は昨年7月に最高値147.27ドルをつけた後、急激に下落。同年12月に30ドル台まで下げた。ただ、今年2月以降じりじりと値上がりし、6月9日からは終値で70ドルを超えている。 天坊会長は「OPEC(石油輸出国機構)は減産しても、消費国の在庫はぱんぱんになったまま。そのなかで原油価格が上がっている」と言う。本来、在庫が膨らめば価格は下がる。それでも原油価格が上がるのは、各国政府の財政出動や低金利で資金がだぶつき、資金が原油取引に流れ込んでいるためだという。 実際、原油の需要は落ち込んだまま