広島県知事に、湯崎英彦氏(44)が当選しました。一般には知名度はないが、私は彼から贈られた新著『巨大通信ベンチャーの軌跡』をASCII.jpのコラムで紹介したばかりでした。通産官僚からアッカ・ネットワークスというDSL(デジタル加入者線)企業の経営者に転身し、さらにWiMAXという高速無線の会社を起こし、総務省の「出来レース」の審査に阻まれたが、見事に逆転したわけです。 彼の本を読むと考えさせられるのは、日本でエリートが起業することがいかにむずかしいかということです。最大の問題は資金でも技術でもなく、70歳以上まで高給の保障される絶対安全な人生を捨てる機会費用が非常に大きいことです。私は彼ほどのエリートではなかったが、39歳でNHKをやめるとき、新聞で「39歳で大企業をやめると生涯賃金で5800万円減収になる」という記事を読みました。相談したのは中沢新一氏だけでしたが、彼は賛成してくれまし
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