南米最大の現代美術展、「サンパウロ・ビエンナーレ」が開催されるブラジルばかりに注目がいきがちだが、アルゼンチンもまたラテンアメリカの現代アートシーンを牽引する雄。なかでもブエノスアイレスには、ラテンアメリカンアートばかりを集め世界的に評価の高いMALBA美術館をはじめ、最新アートに触れる美術館やギャラリーが数多く点在。芸術文化に親しむ土壌が整っている。 そんなブエノスアイレス生まれの若手アーティストの作品が、非現実過ぎてオモシロイ。彼の表現する「あってはいけない世界」、じわじわくる。 デジタルアートを得意とするMartin Ariel De Pasqualeは、自身のポートレイト写真をPhotoshopで加工。非現実世界を表現する若手アーティストだ。「結局はCG加工じゃんか」と言われたらそれまで。そうだと分かっていても作品を見ていくうちに、まるでボディブローのようにじわじわと、彼のワールド