ローリングストーン日本版 アーカイヴ・インタヴュー 2016年4月号 特集「ブラック・ミュージック その精神性と革新性」 ピーター・バラカン: 人種や文化の違いを乗り越え、すべての音楽は混ざり合い、つながっていく アメリカのブラック・ミュージックは知れば知るほど面白く、興味深い。とりわけ1950~70年代のその変遷はドラマチックで、どの楽曲も耳にして強烈な印象を受ける。腹の底の底から声を絞り出すかのようなシャウトの瞬発力、時に荒々しく時にルーズだが、それでいて正確なビート、体が自然と反応するようなリズム。そんな魅力を保ちつつ、ブルーズからゴスペル、R&B、そしてソウルへ、この時期のブラック・ミュージックは変化・発展を遂げて、人種の垣根を飛び越えながらポビュラー音楽の世界に革命をもたらし、世界中に浸透していった。イギリスで生まれたピーター・バラカン氏は、60年代のロンドンでソウルの熱気を浴び