ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が始めた貧困層向け小口融資であるマイクロファイナンスは、広く貧困層の生活改善に役立つと信じられている一方で、先進国と比較してとても高い金利を課す場合もあることから、むしろ借金苦から生活悪化につな がるのではないかと言う懸念を抱く人々もいる。そういう疑問に答えるべく、本当に生活改善につながるのか、借金苦には陥らないのかを検証した論文を西田一平氏が紹介していた(Living in Peace)。内容を大雑把に紹介したい。 西田氏が紹介しているAngelucci, Karlan and Zinman (2013)は、メキシコ最大のマイクロファイナンス機関(MFI)であるCompartamos銀行の協力で行われた調査をまとめたものだ。この種の政策効果を測定するにあたり、もっとも信頼性が高いと言われているランダム化比較実験(RCT)の亜種を用いている。 通常
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