オリックス不動産への「かんぽの宿」入札譲渡にまつわる騒動の大きな根拠になっているのは、竹中平蔵等が強調する「かんぽの宿」は「赤字=不良債権」だったという認識だろうが、はたして本当に、「かんぽの宿」は赤字であり不良債権だったのだろうか、ということになると、「赤字=不良債権」ではなかったのではないかという疑いが消えないわけだが、というのも、「赤字=不良債権」というマスコミを総動員しての国民向けの情報宣伝工作こそ、実は竹中平蔵等「小泉構造改革」一派が乱用した常套手法の一つだったからだ。たとえば「小泉・竹中構造改革」の名の下に、日本の銀行を次々と倒産・合併に追い込むという銀行再編の時も、会計基準の見直しや自己資本比率の変更などによって銀行の財務内容の危機を作為的に演出し、同時に貸しはがしと不良債権の拡大を加速させることによって、銀行の「倒産・合併やむなし」という世論をもりあげる情報工作があったのだ