世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者間で行われた養子縁組を巡り、実態解明が難航している。詳しい状況は公表されていないが、厚生労働省が送った2回目の質問書に対して、教団側は大半の回答を拒否したという。水面下で何が起きているのか。【小鍜冶孝志】 従来と変わらぬ説明 「(情報を)精査しつつ、関係省庁とも連携し、今後とるべき対応の検討を進めている。具体的に今後のスケジュールを申し上げる状況にはない」。2回目の質問書の回答を教団から受け取ってから4週間が過ぎた17日、閣議後記者会見で加藤勝信厚労相は従来と変わらない説明を繰り返した。その言葉に手詰まりとなった様子がにじみ出る。 旧統一教会内の養子縁組は、元2世信者が「教義のために養子縁組が行われている」などと訴えて注目が集まった。教団本部広報部によると、1981~2021年に信者家庭間で745人の養子縁組があり、かつては子どもがいない信者家庭のた