喫茶店主夫婦が使っていた卓上IH調理器。ポットの取っ手がプラスチックなどで覆われていなかったため、電流が体内を流れたとみられる IH(電磁誘導加熱)調理器を使い続けて不整脈などの心疾患になったとして、神戸市内で喫茶店を営む夫婦が製造元の三洋電機を相手取り、約8900万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしていたことが5日、分かった。三洋電機は「ごく微量の電流が流れることは認めるが、健康被害が生じるような欠陥はない」として全面的に争っている。近年需要が増えているIH調理器の安全性をめぐり、双方の主張は真っ向から対立しており、司法判断が注目される。 訴状によると、夫婦は平成16年4月、IH調理器を購入し、店で使用。17年2月、調理を担当していた男性(64)が心臓病にかかり、同年6月にはペースメーカーを装着した。妻(58)が調理を交代したところ、18年10月ごろから妻にも不整脈の症状が出始め