日本人論の起源としては古くは安土桃山時代や江戸時代の宣教師の母国への報告書や、海難・漂流体験からロシアやカナダなどを見る経験を得た和人漁師や船頭の経験譚が挙げられる。幕末から明治にかけては日本からの海外視察団による報告や、来日外国人による文化人類学的な観察記録やエッセイなどに日本人論を見ることができる。 【前近代の主な日本人論】 ヴァシーリー・ゴロヴニーン 1816年 日本幽囚記 タウンゼント・ハリス 1856年 日本滞在記 マシュー・ペリー 1856年 ペリー遠征記 ラザフォード・オールコック 1863年 大君の都 日清・日露戦争、そして第一次・第二次世界大戦を通じて、海外で和人の戦略や戦術、道義心、忠君愛国思想の背景にあるものへの関心が深まると、ルース・ベネディクトの『菊と刀』やオイゲン・ヘリゲルの『弓と禅』といった日本研究が進んだ。アメリカでは、敵の情報分析とプロパガンダを行なう戦争
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