中国漁船による尖閣諸島領海侵犯事件から1か月。船長の逮捕→釈放の経緯を辿ったこの件について、ジャーナリストの櫻井よしこ氏はこう分析している。 *************************** 中国は船長逮捕の9月8日から12日までの間に、計5回にわたって丹羽宇一郎大使を呼びつけました。一方、日本が中国の駐日大使を呼んだのは一度きり、それも拘束されたフジタ社員の安全確保を求めてのことでした。 本来、大使を呼びつけるべき立場にあるのは日本です。領海侵犯に断固として抗議し、二度と繰り返さないよう厳しく求めるのは主権国家として当然です。ところが日本は抗議どころか中国の理不尽な圧力を黙って受け止め続けました。 中国は、ガス田の日中共同開発をめぐる第2回会議を延期し、全国人民代表大会副委員長の李建国氏の訪日も延期。反日デモも相次ぎました。圧力に屈して、日本政府はまず9月13日、中国船員14名と船