科学は、技術と結びついてからというもの「体制」になってきました。つまり、それなしには真に新しい価値が生まれにくいということをどの政府も長期的には理解せざるを得ないと思います。従って、政権が長期になればなるほど、最終的には科学・技術の性質を理解せざるを得ないという意味では、僕は今回の騒動を長期的には楽観しています。 ただその一方で、政権の経験不足や科学者側の説明不足による科学・技術への理解不足の期間が一定期間続くことでこの国の将来にとって致命的な副作用がもたらされるリスクについて懸念しています。そこで、科学・技術の性質について説明を試みるために今回、少し筆をとることにしました。 科学・技術の中には「役に立つ」までにとても時間がかかる分野があります。一見「役に立たない」ように見えるいわゆる「面白い」研究を行っている分野で数学とか理論物理学が典型的です。もしかすると以前の生命科学もそうだったかも