2002年に合併前の旧富山市長選挙で初当選して以来、合併後を合わせて19年間、市政を司ってきた森雅志氏が23日に退任しました。私は2011年、「富山から拡がる交通革命」(交通新聞社新書)の取材のために富山を訪れ、前市長を直接取材して以来、ほぼ毎年現地を訪れ、進展を見てきました。そうした立場から、19年間の足跡をここで振り返りたいと思います。 森前市長というと、就任翌年に「公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり」を掲げ、廃止が議論されていたJR西日本富山港線を国内初の本格的 LRTとして生まれ変わらせ、まちなかのにぎわい創出のために市内電車環状線を復活させるなど、公共交通の実績が取り上げられがちですが、それはまちづくりのための手段であり、LRTを走らせることが目的ではなかったことは、改めて記しておく必要があります。 それよりも評価したいのは、まちづくりに経営の考え方を取り入れたことです。具