市嶋 洋平 日経ビッグデータ編集長 日経コンピュータ、日経コミュニケーション、日経新聞などを経て、2012年11月にビッグデータ・プロジェクトを立ち上げた。企業のデータ活用促進やデータサイエンティストの人材育成などに取り組む。 この著者の記事を見る

市嶋 洋平 日経ビッグデータ編集長 日経コンピュータ、日経コミュニケーション、日経新聞などを経て、2012年11月にビッグデータ・プロジェクトを立ち上げた。企業のデータ活用促進やデータサイエンティストの人材育成などに取り組む。 この著者の記事を見る
宗像 誠之 日経ビジネス記者 日経コミュニケーション、日本経済新聞社産業部、日経コンピュータを経て、2013年1月から日経ビジネス記者。 この著者の記事を見る
小倉昌男がカリスマ経営者であることは改めて言うまでもない。宅急便を始めてヤマト運輸(現ヤマトホールディングス)を有力企業に育て上げ、規制緩和推進のお手本を社会に示した。いまだに折に触れて話題になる人物である。 社内では絶対的な存在だったわけだが、普通の実力経営者と一味違っていたのは、カリスマにしては意外なことに権力欲が薄かった点である。大企業病にかかって弛んだ経営を立て直すために代表取締役相談役から会長に復帰して2年、改革にめどをつけると会社から離れた。 まだ70歳で元気だった。相談役や最高顧問などとして残ってもおかしくないのに、完全に退いた。とはいえ2代目でオーナー型の経営者だったのだから、肩書きなど無くても経営にくちばしを挟もうと思えば可能だ。何しろ小倉に頭の上がる人間はいないのだから。 「私が社長をやる間何も言いませんでした」 しかし97年に社長になった有富慶二はこう言っている。「私
勝手にロジカルな結びつきを見つける人の脳は時々“悪さ”をすることがある。 新規事業がうまくいっていると、その会社の業績が良いと思い込んでしまう。あるいは、ほんの小さな躓きがまるで会社の屋台骨を揺るがすかのように考える。 企業の戦略が実を結んでいるか、数字に落とし込んで考えれば間違った認識を避けられる。四半期業績開示、アニュアルレポート、有価証券報告書など公開されている情報はいくつもある。自分が投資家になったつもりで、その企業の戦略やマネジメントの有効性を判断すればよい。 1人でリフティングをしているだけのサッカー少年は、いつまで経ってもチームでレギュラーになれない。ライバルと比べて、何が自分の武器になるのか、勝てない部分はどこなのかがわかれば、強みをさらに磨く努力や、欠点を平均まで持ち上げる策が浮かんでくる。財務諸表の見方もこれと同じだ。同業他社などと「比較する」視点が特に大切と言える。
石黒 千賀子 日経ビジネス編集委員 日経BPに入社後、英LSEに留学し修士取得。日経ビジネス、日経ナショナルジオグラフィック、日経ベンチャーを経て、2003年日経ビジネスに編集委員として戻る。主に、本誌の「世界鳥瞰」の欄を担当。 この著者の記事を見る
この年末、内閣官房・衛星情報センターが運用する偵察衛星「情報収集衛星(IGS)」を巡って、3つの動きがあった。最大のものは、安倍政権が特定秘密保護法を成立させたことだ。安倍晋三首相は12月9日の記者会見で、「特定秘密」に指定する政府情報42万件のうち9割が衛星画像に関する情報だと発言した。この9割の大部分が、IGSが取得した地球観測画像であることは間違いない。 これに先立つ11月13日~12月2日にかけて、内閣官房は台風30号により大きな被害を受けたフィリピン各地域の被害状況地図を次々と公開(関連情報)した。IGSが撮影した画像を解析した結果を地図上にまとめたものだ。内閣官房が、IGSで取得したデータを解析した結果をまとめて公開するのはこれが初めてである。
現代人は生活費を得ることに日々忙しく、娯楽や趣味も、どんどん楽をする方向にむかっています。例えば、ドストエフスキーの『罪と罰』を楽しむ場合。昔のように時間をかけて読むのではなく、映画化されたものを見てすますようになっています。映画館に行ったり、DVDを借りてきたりして。ドストエフスキーが文字で描いたシーンを自分の頭でじっくり再現するのではなく、すべてを映画監督に任せてしまいます。忙しい現代人は、カメラを通じて世界を見るようになってしまいました。これはいかにも残念な現実です。 ハリウッドが2004年に映画化した作品に『トロイ』があります。幼い頃に、世界の神話を載せた雑誌を読んでいた筆者にとって、アキレスは英雄でした。しかし、映画『トロイ』を見て、何となくアキレスに幻滅してしまいました。筆者は、戦場で殺される英雄を好んでいたからです。映画『トロイ』の中のアキレスは、キスしながら死んでいきました
安倍晋三首相が10月1日、日銀の企業短期経済観測調査(短観)など各種経済指標の内容を十分見極めた上で最終判断しアナウンスした、2014年4月の消費税率引き上げ。これについて、市場関係者と一般の消費者との間で、その受け止め方に大きな差があったように思われる。 市場側は、9月までに出ていた様々な報道をもとに、消費増税は予定通り行われるだろうということを、かなり前から十分に織り込んでいた。このため、安倍首相による正式発表は、目新しいイベントであるとは受け止められなかった。 一方、普段から経済ニュースに接する機会が少ない消費者側にとっては、まさにビッグニュースで、しかも、かなり大きな衝撃をもたらすものと受け止められた。 いわゆる「悪い物価上昇」が家計をじわじわ圧迫しているところに、消費増税という重荷が先行き加わることが確実になったため、消費マインドの状況を示す10月分の経済指標の数字は大幅に悪化し
従業員が過労死した場合の責任を、企業だけではなく取締役個人にも認める――。労働問題に一石を投じる判決が、2013年9月に最高裁判所で確定した。 居酒屋チェーン「日本海庄や」の店員が過労による急性心不全で死亡し、遺族が企業と社長ら取締役を相手どって訴えを起こした裁判だ。過酷な労働条件の下で不当に長時間働かせるなど、従業員を酷使する「ブラック企業」が社会的な問題になっているが、司法もこうした企業に対する包囲網を狭めている。 大庄の過労死裁判は、2つの点がこれまでと違う。 まず、問題を起こしたのが大企業で、過労死した従業員を直接よく知る立場になかった取締役の責任を認めた点。 これまでも、小規模で、取締役が従業員全体を把握しているような企業で役員が訴えられたことはあった。一方で、「日本海庄や」を運営する大庄は2012年8月末時点で従業員3176人を抱える東京証券取引所1部上場の大企業。今回の裁判で
来年4月から8%への増税が決まった消費税。2015年には10%へとさらなる増税が検討されている。社会保障費の増加に歯止めがかからない以上、増税がこれで終わらない公算は大きい。 税は国の形を変える。中世のオランダには「窓税」という税があり、その後「間口税」となった。その結果、オランダでは現在も細長い家が多い。 消費増税は日本の形をどのように変えるのだろうか。実は消費税には、免れる方法がある。もちろん脱税などではない。 消費税は、2年前の課税売上高が1000万を超える事業者に対して発生する。個人取引なら基本的に免税となる。すなわち、個人間取引を利用すればよいのだ。 ただでさえ、インターネットの普及により、個人売買市場は拡大を続けている。環境省による2012年度のリユース市場規模(自動車とバイクを除く)は、約1兆2000億円。2009年度に比べ約2割も増加した。 ネットと増税の相乗効果 ネットと
最近ロンドンを歩いていて、制服姿の子どもたちが前後を教師に引率され、一列になって歩いていくのを目にした。 珍しい光景ではないが、吹き出してしまった点が一つあった。おそろいのスクール・タイ、というより、その?名残?といったほうが正確だろう。子どもたちの半分以上が、結び目の下10センチくらいでネクタイをちょん切っていたのだ。不思議に思い、列の最後を歩いていた教師に「ネクタイはどうしたの?」と聞いてみた。 教師は笑って、「子どもたちはネクタイを着けたくないのだが、校則で着用を義務づけられている。でも校則は、ネクタイの長さまでは指定していない。だからチョキン、チョキンとやったわけさ!」と教えてくれた。 うーん、どうしてぼくは子ども時代、こんなずるがしこくも独創的な抜け道を思いつかなかったんだろう? これが僕の目に留まったのは、ちょうどヴァージンがイギリスの銀行ノーザンロックを手に入れ、銀行業に乗り
都市化に伴う課題の1つとして、先進国では人口の高齢化対応が挙げられる。『次世代社会創造プロジェクト総覧』(日経BPクリーンテック研究所)によると、世界では健康・福祉や高齢化問題に対応しているプロジェクトは66あるが、ほとんどは先進国に集中している。 高齢化率が23.0%(2010年時点、国連統計)と、先進国の中でも飛び抜けて高い日本でも、実証プロジェクトが進んでいる。これらのプロジェクトを分類すると、「外出・歩き促進型」「コミュニティー型」「ICT活用型」の3種類がある。 総合特区で歩くための道を整備 外出・歩き促進型は、特に高齢者向けに外出や歩くことを促して健康増進を図るプロジェクトで、都市計画にまで踏み込むケースが多い。今回は国内で実施されているプロジェクトを紹介する。 例えば、日本では2009年に発足した「スマートウェルネスシティ構想」に、現在14府県21市長が参加、地域で住民間が交
マクロ経済学は、世の中で最も論争の多い学問分野ではなかろうか。特に、経済政策に関わる意見の対立は、経済学の枠を超え、マスコミや国会を巻き込んだ激しいものになることが多い。近年でも、財政・金融政策や税制改革等に関する論争が、連日マスコミやネットを賑わせている。 マクロ経済学では黎明期から市場経済を重視する新古典派と、積極的な政府介入を支持するケインズ派の2つの間で激しい論争が繰り広げられてきた。思い切って単純化すると、景気後退は生産力(供給)の低下と考えるのが新古典派であり、需要不足、と捉えるのがケインズ的なアプローチである。近年、これら2つのマクロ経済理論は技術的に急速に進歩し、多くの共通点を持つようになってきている。 しかし、いまだ、景気循環がなぜ生じるか、政策として何が可能か、という問題に関しては、この2つの対立軸のどちらにどれだけ重心をおくかにより、大きな意見の違いが生まれてしまう。
その自動車販売店に行くには、楽しそうな家族連れやカップルとすれ違わなければならない。ジェットコースターの乗客の「キャー」という声も聞こえてくる。その店は、テーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)の敷地の中にある。 9月21日に開業した「ホンダカーズ大阪 USJ納車センター」。ギフトショップのような外観の建物に入ると、セサミストリートのキャラクターが壁に描かれた10のブースに、ナンバープレートを付けた真新しいクルマが1台ずつ止まっていた。 キャラクターのぬいぐるみを飾ったテーブルで車を見ながら説明を聞いたり、記念撮影をしたり。一通りの「納車式」を終えた後、クルマを買った家族は事前に受け取っていたチケットを持ってUSJのアトラクションを楽しみに出かけて行く。 これは、自動車販売大手のホンダカーズ大阪(大阪市)が1万2000円で提供している有料サービスだ。この場所での納車
天気がおかしい。というか、「最近、異常じゃない?」って誰もが認めざるを得ないほど、危険な気象現象が頻発している。1時間に100ミリを超える豪雨が全国各地で頻発し、竜巻があちらこちらで発生し……。「長いこと、この場所に住んでるけど、こんなの初めて」と多くの人たちが困惑している。 数年に1度起こるかどうかの“まれな現象”が、毎日にように起きているのだ。 私の記憶では、100ミリ以上の大雨がニュースのトップ項目に踊り出たのは1997年。福岡で1時間に97ミリという集中豪雨で被害が出て、「1時間100ミリの雨って、いったいどんな雨なんだ?」と世間を驚かせた。 最近では気象ネタがニュースのトップ項目になることは珍しくなくなったが、あの頃はまれ。台風が関東を直撃する以外はほとんどなかった。それほどまでに「1時間100ミリの雨」は、ニュースバリューのある“事件”だった。 それが、今では1日にいくつもの地
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