兵庫県明石市魚住町の精神科病院「明石土山病院」に入院していた男性=当時(50)=が死亡したのは、長期間の隔離と病院側の不注意が原因だとして、加西市の両親が病院側に約5700万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こすことが分かった。男性は死亡までの2年弱にわたり、両親や本人の希望に反して隔離室に入れられていたといい、両親はこれを病院の保護義務違反と訴えている。(竜門和諒) 【写真】心を病む先生たち「無限ループ。もう何回やったか分からない」 専門家は「2年弱は異常な長さで、社会通念を超えるのではないか」と指摘。ただ、こうした隔離期間に法的な限度日数はなく、国の日数調査もないことから、長期隔離は全国でも潜在している可能性がある。 両親によると、男性は20歳ごろに統合失調症と診断され、妄想の疾患が重症化して2019年5月に同病院での医療保護入院が決まった。翌6月に隔離が始まり、21年4月14日、