日本とドイツの介護保険を比較して考える記事の2回目。 日本の介護保険は、1995年にスタートしたドイツの介護保険を参考にして作られたといいますが、違う点も多く、それがよくもあり悪くもあります。今回は、その違いを整理する記事の後編。「要介護認定調査」と「給付」の日独の違いについて整理してみます。 極力、非該当にする「鑑定」日本でいう要介護認定調査を、ドイツでは「鑑定」と言います。 「財源」のところで、ドイツ介護保険は財源が保険料のみであるにもかかわらず、保険料率を長年上げずにすんだと書きました。それはなぜか。「鑑定」が非常に厳しく、非該当になる対象者が多いからです。言わば、財源に合わせて給付量を調整するような鑑定になっていたわけです。また、鑑定を行うのは介護の実態について十分は把握していない医師など。鑑定が医学的観点から1人あたり20分程度の短い時間で行われていたこともあり、介護実態にそぐわ