なんと全部で500頁。奥付によると9月30日の発行。この頃の作者は本当に絶好調・のっていたんだなあ、という感慨を持ちます。本書はある意味、本シリーズの白眉といって過言でない大傑作。第2代皇帝ティベリウスから第5代ネロまで、悪帝と呼ばれた皇帝たちの再評価に取り組み、私がこれまで知らなかった優れた統治者としての一面に光をあててくれます。なかでも、ティベリウス帝とクラウディウス帝。前者に関しては遠い昔に観た映画カリギュラのイメージが微かに頭に残っていて、それまで変態じじいという印象しかなかったのですが、彼の卓越した統治能力、責任感があってこそ、ローマ帝国は磐石になったことが本書でよくわかりました。しかし、閉鎖的な性格ゆえに、ローマから「家出」してカプリ島で執務を行うようになってしまいます。見捨てられたと思ったローマ市民から嫌われたのが、後の悪帝たる評価を作ってしまった原因。つくづくリーダーとは難
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