◇福祉を切り捨てる「ワークフェア」 『季刊 ピープルズ・プラン』三九号が「労働と生活の場から貧困を撃つ」という特集を組んでいる。その中に湯浅誠さん(自立生活サポートセンター「もやい」事務局長)のインタヴューが掲載されている。現代の「貧困」を告発する湯浅さんの現場からの報告は読み応えがあった。その中でワークフェアについて触れている部分が特に考えさせられた。 ワークフェアとは、福祉を給付する際にその条件として就労か職能訓練プログラムを義務づける考え方のことである。日本ではこの用語はあまり普及していないが「自立支援」や「再チャレンジ」と同じであると考えてよい。 湯浅さんがワークフェアを問題とするのは、生活保護受給者を自立=就労に追い立て、追いつめている現実があるからだ。福祉事務所の個々の職員の対応の善し悪しを超えて、日本の福祉政策のバックボーンにワークフェアの考えが据えられている。湯浅さんはエス