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池田信夫と本に関するh_nakのブックマーク (38)

  • 震災復興の政治経済学 : 池田信夫 blog

    2015年12月27日12:45 カテゴリ 震災復興の政治経済学 東日大震災は、阪神大震災よりはるかに大きな災害だと思われた。おまけに原発事故も重なり、その震災復興予算は25兆円と、阪神の9.2兆円を大きく超えた。たしかに死者・行方不明は1万8000人と阪神大震災の6000人を大きく上回るが、復興のコストにはこんなに大きな差はなかった。 阪神の被災地が建物の密集する都市だったのに対し、「東日」というのは誇張で、ほとんどの被害は岩手・宮城・福島の3県に限定されていた。書の推計ではその被害額は6.7兆円と、阪神の6.3兆円とそう違わない。にもかかわらず過疎地に25兆円もの復興予算がつぎ込まれたことは、さまざまなひずみをもたらした。 他方、地震や津波より大きく報道された福島第一原発事故による放射線障害はゼロだが、過剰報道がいまだに続き、それが風評被害を生んで被災者の帰宅を阻んでいる。

    震災復興の政治経済学 : 池田信夫 blog
  • 「戦後レジーム」に執着する安倍首相 『戦後経済史』

    書の内容は、『戦後日経済史』とほぼ同じである。著者の主張はオーソドックスで、ぶれない。そしてマスコミには受けないが、結局は正しかった。80年代のバブルのときもそうだったし、アベノミクスについても彼の予言した通りになりつつある。 おもしろいのは「戦後レジーム」を否定する安倍首相が、経済政策については祖父のつくった戦後レジームを忠実に守っているという指摘だ。戦後の高度成長を支えたのは、国家総動員法でできた国家社会主義だった。GHQが日を解体して民主化したというのは虚構で、実際には官僚機構がマッカーサーの権威を利用して戦時体制を衣替えしただけだ。 それが成功したのも、それほど不思議な現象ではない。日は戦前すでにGDPが世界第6位の経済大国であり、戦争で半減したGDPが10年で元に戻り、労働人口が2倍になったことが高度成長の最大の原因だ。重化学工業化の局面では、官僚機構による開発独裁が機能

    「戦後レジーム」に執着する安倍首相 『戦後経済史』
    h_nak
    h_nak 2015/06/02
    野口悠紀雄
  • 【GEPR】環境リスクを最小化してはいけない:『気候カジノ』

    これは2015年3月24日の記事ですが、ノードハウスがスウェーデン国立銀行賞(ノーベル経済学賞)を共同受賞したので再掲します。彼の業績は「気候変動の問題を長期的な成長理論に取り入れた」こととされていますが、それは「地球温暖化のリスクを最小化しろ」という話ではなく、温暖化のリスクとその対策のコストのバランスを考える慎重論です。 当たり前のことだが、エネルギー政策は経済問題である。「金か命か」という宗教問題でもなければ、原子力村と反原発派の政治問題でもない。したがって「原子力の比率は何%にすべきか」などという問題はナンセンスであり、その目的は環境リスクをいかに最適化するかである。 これは「最小化」ではない。リスクを最小化するには経済成長をやめればいい。書はそういう宗教的なエネルギー論議ではなく、気候変動を予測するシミュレーションにもとづいて、価格メカニズムによって最小のコストで(経済成長を維

    【GEPR】環境リスクを最小化してはいけない:『気候カジノ』
    h_nak
    h_nak 2015/03/25
    "本書はこの分野の世界的権威があらゆる論点を尽くしており、これという「最適解」は出していないが、立場の異なる人々の議論する共通のプラットフォームになろう"
  • 文明と戦争 : 池田信夫 blog

    2012年08月19日10:42 カテゴリ 文明と戦争 韓国の主張する「歴史問題」のほとんどはでっち上げだが、アメリカ議会やEU議会まで慰安婦決議をしている。このように国際的な情報戦で日韓国に負け続けてきた一つの原因は、その平和主義にある。日人は平和を最優先するのが当たり前だと思っているかもしれないが、英語でpacifismというのは、自国が侵略されても抵抗しない敗北主義のことである。 人間はもともと平和に暮らしていたが、文明によって戦争を起こすようになり、科学が発達して大量殺戮が行なわれるようになった。原子力は人間がテクノロジーを制御できなくなった時代の象徴だ――という通俗的な話は当節流行の原発文明論でよく語られるが、それは逆である。 旧石器時代の人類は平均15%ぐらい殺されていたが、その原因は人間が類人猿より凶暴だったためではなく、道具を使うようになったためだ。石器によって相手

    文明と戦争 : 池田信夫 blog
  • 人類は殺し合いを続けてきた - 『暴力の人類史』

    「イスラム国」による残虐行為は、世界の現実を平和ボケの日人にあらためて思い知らせた。人類の200万年の歴史の中では彼らが普通で、現代の日人はきわめて例外的な時代に生きているのだ。40年前に人類学者が発見し、20年前に考古学者が提唱した「人類は石器時代から殺し合いを続けてきた」という仮説が、いま社会科学を大きく変えようとしている。 書はこの仮説を心理学者が実証データで詳細に実証したものだ。図(クリックで拡大)の最上段が先史時代の戦争による死亡率で、人口の最大60%にのぼる。最下段が現代で、第2次大戦の死者でも世界の人口の2%程度だ。このように時代や文化圏によっても大きく違うが、近代以前の人類は平均して15~20%ぐらいが戦争で殺されていたと推定される。 この比率は成年男子ではもっと高く、半数近くが戦死した社会も珍しくない。つまり数百年前まで、人間の最大の死因は殺人であり、われわれは史上

    人類は殺し合いを続けてきた - 『暴力の人類史』
  • 社会秩序とコミュニケーション : 池田信夫 blog

    2015年02月19日11:29 カテゴリ 社会秩序とコミュニケーション 書は最近のゲーム理論(と実験)のサーベイだが、もうナッシュ均衡の概念はほとんど出てこない。それは第一近似としては意味があったが、多人数のゲームでナッシュ均衡(不動点)を計算することは不可能であり、現実に人々はそんな計算をしていないからだ。 囚人のジレンマもほとんど出てこない。それはジレンマではなく支配戦略の一つに決まったゲームであり、人々はそういう答のわかりきったゲームをしていないからだ。「社会的動学」のモデルはもっと一般的な共通利益ゲームであり、答は複数あって決まらない。 では社会秩序はどうやって維持されているのか。著者の答は、コミュニケーションである。人々は「最適反応」を合理的に計算しているのではなく、ひたすら他人と話し、その行動を学習して模倣しているのだ。そして十分多くのコミュニケーションがあれば、学習によ

    社会秩序とコミュニケーション : 池田信夫 blog
    h_nak
    h_nak 2015/02/27
    "特殊なしくみのようにみえる日本社会の「空気」は、むしろ単純な共通利益ゲームであり、その秩序を維持するために膨大なコミュニケーションで学習していると考えることができる"
  • 合理的個人という物語 - 『人間らしさとはなにか?』

    ★★★★★(評者)池田信夫 人間らしさとはなにか?―人間のユニークさを明かす科学の最前線 著者:マイケル・S. ガザニガ 販売元:インターシフト 発売日:2010-02 クチコミを見る 著者は脳神経科学の第一人者であり、特に分離脳の研究者として知られる。彼の行なった次の有名な実験は、脳科学の入門書によく出てくる: 分離脳の患者の視野をまん中で仕切って右と左が別々に見えるようにし、右目(左脳)にはニワトリの足先を見せ、左目(右脳)には雪景色を見せた。そのあと患者に見えたものと関係のある絵を選ぶようにいうと、右手(左脳)でニワトリ、左手(右脳)でシャベルを選んだ。そこで患者に「なぜニワトリを見てシャベルを選んだのか?」と質問すると、「ああ単純なことです。ニワトリ小屋を掃除するにはシャベルが必要だから」と答えた。(書p.415) この患者の言語中枢は左脳にあるので、右脳(左目)が雪景色を見たこ

    合理的個人という物語 - 『人間らしさとはなにか?』
  • <つくる>と<なる> : 池田信夫 blog

    2014年08月20日00:54 カテゴリ <つくる>と<なる> 木田元氏が死去した。彼の専門はハイデガーだが、私が一番おもしろかったのは『マッハとニーチェ』である。西洋的な合理主義に反抗する危険思想だったニーチェが、日では何の抵抗もなく受け入れられたのは、日人が「天然ニヒリスト」だからだろう。 書はもっとポストモダン寄りで、ここでも丸山眞男が出てくる。西洋の存在論は、世界を<つくる>ものと考えているというのがハイデガーの批判で、彼はニーチェの延長上で<なる>ものとして存在論を考える。その延長上にあるのが、丸山の「古層」だという。ハイデガーが<つくる>存在論を克服しようとしたのに対して、丸山は初期には<なる>政治意識をプレモダンなものとして克服しようとした。しかし丸山も晩年には、両者を並列して見ていた。彼の「古層」にはフーコーも注目してフランスにまねき、レヴィ=ストロースは手紙をく

    <つくる>と<なる> : 池田信夫 blog
    h_nak
    h_nak 2014/08/20
    木田元氏"西洋の存在論は、世界を<つくる>ものと考えているというのがハイデガーの批判で、彼はニーチェの延長上で<なる>ものとして存在論を考える。その延長上にあるのが、丸山の「古層」"
  • マッハとニーチェ : 池田信夫 blog

    2009年12月16日13:58 カテゴリ科学/文化 マッハとニーチェ スパコンをめぐるドタバタで、行政刷新会議は討論会を開こうとしているが、文科省は既定方針どおりで強行突破をはかっている。こうなると、ゼネコンもITゼネコンも同じようなものだ。イノベーションにとって何が必要かを、当の科学者も理解していないのは憂になる。 いま私の書いているイノベーションについてのの出発点は、マッハである。彼の名前は、世間ではジェット機の速度の単位でしか知られていないだろうが、書も指摘するように彼は20世紀の思想の源流ともいうべき存在で、ニーチェもフッサールも彼の影響を受けた。アインシュタインはマッハの追悼文でこう書いている:私の仕事にとってマッハとヒュームの研究が非常に助けになった。マッハは古典力学の弱点を認め、半世紀も前に一般相対性理論を求めるのにあとちょっとのところまで来ていた。[・・・]マッハ

    マッハとニーチェ : 池田信夫 blog
  • 反哲学入門 : 池田信夫 blog

    2009年07月18日01:09 カテゴリBooks 反哲学入門 池袋のジュンク堂で「木田元書店」というのをやっている。といっても、7階の片隅に木田氏の著訳書と蔵書が並べてあるだけだが、入口に書がたくさん積んであったので、既視感もあったが買ってみた。著者は「反哲学のなんとか」というを何冊も書いていて、どれも似たような内容だが、書が一番まとまっていてわかりやすい。 「反哲学」という言葉には、そもそもphilosophy(知を愛すること)を「哲学」などと訳したのが誤訳だという意味もこめられているのだが、解説の中心は何といってもプラトン以来の哲学を全面的に否定したニーチェである。日では、ニーチェというと『ツァラトゥストラ』の文学的なイメージでとらえられることが多いようだが、あれは来の「主著」の導入ともいうべき叙事詩で、ニーチェの質は『力への意志』と名づけられている未完成の遺稿を読まな

    反哲学入門 : 池田信夫 blog
  • 財政=軍事国家の衝撃 : 池田信夫 blog

    2014年03月06日20:30 カテゴリ 財政=軍事国家の衝撃 資主義の質は、新古典派経済学のような均衡理論ではわからない。それを進化論的にとらえるオーストリア学派も、資主義の最大の強みである巨大な資蓄積を理解するには不十分だ。私は、資主義の質は戦争だと思う。それは競争の比喩ではなく、文字どおりの戦争である。 書はこれを主題にし、強い君主が不在で「ヨーロッパでもっとも国家らしくない国家」と考えられていたイギリスが、なぜ強力な財政=軍事国家になり、18世紀以降の激しい戦争を勝ち抜いたのか、という謎を解明している。それは一般には「産業革命」で豊かになったためと考えられているが、イギリスの18世紀の成長率は年率1%弱で、フランスより低かった。では何がイギリスの強さの原因だったのか。 その一つの原因は、オブライエンも指摘する国債などの金融市場の発達である。イギリスが「産業資主義

    財政=軍事国家の衝撃 : 池田信夫 blog
    h_nak
    h_nak 2014/03/07
    "イギリスの18世紀の成長率は年率1%弱でフランスより低かった"イギリスの強さの原因→1.国債などの金融市場の発達.軍事費も国債で調達 2.都市化により労働人口の流動性が高まり,都市では輸送・通信手段が発達 3.法の支配
  • 「作家」の消失 : 池田信夫 blog

    2014年02月07日10:22 カテゴリ科学/文化 「作家」の消失 佐村河内事件は、「現代音楽」の追い込まれた袋小路を象徴している。18世紀までの音楽は、作曲者によって演奏される娯楽産業だった。ハイドンやモーツァルトなどの高級な音楽は、貴族がスポンサーになって育てた。しかしベートーヴェンは音楽を「純文学」にし、啓蒙思想の表現にしてしまった。第9の終楽章の、大衆が参加して人類の進歩に向かって前進する「エイエイオー」の気持ち悪さは、同時代人にも批判された。 19世紀のロマン派は、感動という商品を生み出した。合理化され、機械化された日常から逃避するため、人々は甘い旋律と重厚な響きを求めた。音楽は、神の死んだ時代に人々を救済する物語となったのだ。ニーチェが最初はワーグナーに求め、そして最後は強く憎悪したのは、このような神の代理を演じる作家の俗物性だった。 20世紀の音楽は、このような感動を拒否す

    「作家」の消失 : 池田信夫 blog
  • 現代思想の断層 : 池田信夫 blog

    2009年09月27日17:55 カテゴリBooks 現代思想の断層 ニーチェは「来るべき200年はニヒリズムの時代になるだろう」という言葉を遺し、狂気の中で20世紀の始まる前年に世を去ったが、彼の予言はますますリアリティを増しつつある。 よく誤解されるように彼は「神を殺す」ニヒリズムを主張したのではなく、「神が自然死する」ことによって西洋世界が深い混迷に陥ることを予言し、それを克服する思想を構築しようとして果たせなかったのである。 書はこのニーチェの予言を軸として、ウェーバー、フロイト、ベンヤミン、アドルノの4人の思想をスケッチしたものだ。ウェーバーとニーチェという組み合わせは奇異に感じる人がいるかもしれないが、ウェーバーは姜尚中氏の描くような「市場原理主義」をなげく凡庸な合理的知識人ではなく、ニーチェの影響を強く受け、キリスト教のニヒリズム的な側面が近代社会の合理的支配を自壊させると

    現代思想の断層 : 池田信夫 blog
    h_nak
    h_nak 2014/01/20
    "啓蒙は手段的合理性によって壮大な物質的富をもたらしたが、それはすべての目的や意味を否定するニヒリズムとなり、人々の精神的なよりどころを徹底的に否定した"
  • 『紛争の戦略』 『個人主義と経済秩序』 : 池田信夫 blog

    2008年04月27日10:47 カテゴリ 『紛争の戦略』 『個人主義と経済秩序』 古典が2冊、復刊された(シェリングは初訳)。『紛争の戦略』は1960年、『個人主義と経済秩序』は1948年のだが、内容はまったく古くなっていない。経済学に古典とよべるは少ないが、この2冊は、少なくとも経済学部の学生は絶対に読むべきである。 シェリングのは冷戦を「協調ゲーム」ととらえ、核戦争を回避する「よい均衡」に到達する情報戦略を考えるものだ。こうした「均衡選択」の戦略は合理的には導けず、当事者の心理が重要だ。これはゲーム理論の最良の入門書であると同時に、今なお新しい問題を提起している。 ハイエクのについては、今さら解説するまでもないが、帯に「インターネットはここから始まった!」と書いてあるように、若い読者が読んでも新鮮だろう。版元のPR誌に私も推薦文を書いたが、ハイエクのを1冊だけ読むなら、

    『紛争の戦略』 『個人主義と経済秩序』 : 池田信夫 blog
    h_nak
    h_nak 2013/12/25
    ハイエク
  • 疫病としての資本主義 : 池田信夫 blog

    2013年12月23日19:42 カテゴリ 疫病としての資主義 2000万人以上の人口を擁するアステカ帝国に、スペインから来たコルテスが到着したとき、彼の軍勢は600人しかいなかった。それが1年足らずの間にアステカを征服し、人口は1割ほどに激減した。この原因は戦争ではなく、天然痘だった。複雑な文化が混じって多くの病原菌をもつヨーロッパ人の身体は、世界最強の「兵器」だったのである。 疫病は戦争と同じぐらい、人類の歴史に大きな影響を及ぼした。仏教やキリスト教など、現世の苦難を説明する宗教が流行したのは、戦争や疫病の多い地域だった。インドをアーリア人が征服したとき、南東部には疫病が多すぎるため、彼らを賤民として隔離したことが、カースト制の確立した原因だった。 仏教とキリスト教は3~9世紀の中国とローマ帝国で成長した。これはこの二つの文明圏で疫病が流行して人口増加がほとんどなかった時期に対応す

    疫病としての資本主義 : 池田信夫 blog
    h_nak
    h_nak 2013/12/24
    "複雑な文化が混じって多くの病原菌をもつヨーロッパ人の身体は、世界最強の「兵器」だったのである""南東部には疫病が多すぎるため、彼らを賤民として隔離したことが、カースト制の確立した原因だった"
  • 戦争が人類の歴史を決めた : 池田信夫 blog

    2012年03月12日23:05 カテゴリ 戦争が人類の歴史を決めた ホッブズは自然状態を「万人の万人に対する戦い」と考えたが、ルソーは原始時代には平等で平和に暮らしていた人間が私有財産や国家によって戦争を始めたと考えた。マルクスからレヴィ=ストロースに至る社会科学の主流はルソー的な人間観にもとづいているが、書はこれを否定し、人類は200万年前から戦いを続けてきたという。 最近の考古学的なデータによると、世界のどこでも旧石器時代の死者の15%(男性の25%)前後が殺人によって死亡している。これは人類の顕著な特徴で、糧や雌をめぐる争いはどの動物にもあるが、このように激しい戦いはみられない。しかし戦争を人間の「暴力能」の結果と考えるのは妥当ではない。それは人間が道具を使うようになったことによる合理的行動である。 動物の武器は身体そのものなので、攻撃する側とされる側はほぼ対等だが、人間が

    戦争が人類の歴史を決めた : 池田信夫 blog
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    h_nak 2013/12/16
    "特に相手が武器をもっていない場合には、武器をもつ側が確実に勝てる非対称性がある""植民地から奪った富を資本として蓄積することで産業革命が可能になった"
  • 一神教の起源 : 池田信夫 blog

    2013年11月18日00:02 カテゴリ 一神教の起源 一神教の誕生は、おそらく世界史上最大の事件の一つである。ウェーバーやデュルケームなど初期の宗教社会学では、キリスト教を典型的な「宗教」と考え、それ以外の民俗信仰を「呪術」としたのだが、これは逆だ。世界的にみても日のような部族信仰が圧倒的な多数派で、一神教は古代ユダヤに1回だけ起こった「突然変異」である。 その教義は、全世界の人々を唯一の神が支配しているが姿は見えないという荒唐無稽なものであるにもかかわらず、今では世界の人口のほぼ半分が一神教徒だ。この奇妙な信仰はどこから生まれたのだろうか? 宗教はもともとローカルな信仰なので、一つの部族の中で一つの神を信じる拝一神教は珍しいものではない。ここでは他の部族は別の神を信じていることが前提されており、部族が統合されると神も統合される。このような形で多くの部族が集まったイスラエルの民に広

    一神教の起源 : 池田信夫 blog
    h_nak
    h_nak 2013/11/18
    "世界的にみても日本のような部族信仰が圧倒的な多数派で,一神教は古代ユダヤに1回だけ起こった「突然変異」""贖罪にこだわる教義はユダヤ教に固有のものだが,彼らの長い苦難の歴史を合理化する唯一の論理だった"
  • 自由からの逃走 : 池田信夫 blog

    2013年11月10日13:44 カテゴリ 自由からの逃走 薬剤師会やradikoのような行動は、日人に固有というわけではない。人類は100万年以上にわたって集団で生活してきたので、自分の所属する集団を守る遺伝的な習性がある。近代社会では「個人が自立する」というのは錯覚で、共同生活の形が変わっただけだ。 それはマルクスの言葉でいうと、人と人が直接つながる人的依存関係から、商品や金銭を介してつながる物的依存関係に変化したのだ。このように「物象化」された疎遠な関係は人々を自由にするが、他方では孤独にする。 その孤独を癒やすために生まれたのがプロテスタント教会だった、とフロムは言う。ルターにもカルヴァンにも共通するのは、自由意志の否定である。ルターは『奴隷意志論』というパンフレットを書いて懐疑主義を攻撃し、カルヴァンは予定説をとなえた。彼らはカトリック教会の権威を否定したが、彼らの教義はカト

    自由からの逃走 : 池田信夫 blog
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    h_nak 2013/11/11
    "自由も特殊西洋的な言葉であり、キリスト教と同じく、多くの人々が信じるがゆえに成り立つ再帰的な概念にすぎない"
  • ヒューム 希望の懐疑主義 : 池田信夫 blog

    2013年09月29日10:35 カテゴリ ヒューム 希望の懐疑主義 ヒュームの懐疑主義は、カントを「独断のまどろみ」から目覚めさせたものとして有名だが、これはカントがヒュームの哲学を完成させたことを意味しない。むしろポストモダン的にみると、ヒューム的な懐疑を徹底しないで「超越論的主観性」という絶対者を置いたカントのほうが後退したともいえる。 書は、こうしたヒュームの懐疑主義が彼の政治・経済論の基礎になっていると論じる。ヒュームの問題として知られるように、自然科学で絶対のようにみえる因果関係は主観的なものだが、逆に社会の中にも(だいたいの)因果関係を見出すことはできるかもしれない。この意味で、ヒュームにおいて「社会科学が生誕」したのだと書は論じる。 しかし社会科学における因果関係は、自然科学よりはるかに曖昧で不確実だ。たとえば国家がどうやって生まれたのかという問題は、実験で確かめるこ

    ヒューム 希望の懐疑主義 : 池田信夫 blog
    h_nak
    h_nak 2013/09/30
    "社会の本質は、先験的主観でも国家理性でもなく、慣習である""ヒュームの共和主義で絶対的な地位を与えられるのは人間の理性ではなく、慣習を洗練して生まれる法の支配"
  • 真の危機は「法の支配」の崩壊だ - 『劣化国家』

    このタイトルを見て、いま世界一有名な歴史学者が日についてのを出したのかと思う人もいるかもしれないが、ご心配なく。彼のテーマは「西洋文明の衰退」である。18世紀に中国が西洋に覇権を譲ったように、いま西洋は新興国に覇権を譲ろうとしている。それは宿命かもしれないが、避けることはできないのだろうか――これは西洋文明のコピーである日にも共通の課題である。 欧米の経済的停滞を金融・財政政策で是正できると主張するクルーグマン(著者の論敵)などの経済学者を著者は嘲笑し、そういう政策が一時的に衰退を止めることはできるかもしれないが、問題はもっと深く大きいと論じる。それは西洋文明のエンジンだった国家の劣化なのだ。 これは「見えざる手」が社会の主役だと信じる経済学者の見解とは違うが、歴史的事実である。イギリスを初めとする西洋諸国が、彼らよりはるかに洗練された文明と豊かな富をもっていた中国を追い抜いて世界を

    真の危機は「法の支配」の崩壊だ - 『劣化国家』
    h_nak
    h_nak 2013/09/23
    "欧米の経済的停滞を金融・財政政策で是正できる(…)そういう政策が一時的に衰退を止めることはできるかもしれないが、問題はもっと深く大きい""それは西洋文明のエンジンだった国家の劣化なのだ"