2014年03月06日20:30 カテゴリ本 財政=軍事国家の衝撃 資本主義の本質は、新古典派経済学のような均衡理論ではわからない。それを進化論的にとらえるオーストリア学派も、資本主義の最大の強みである巨大な資本蓄積を理解するには不十分だ。私は、資本主義の本質は戦争だと思う。それは競争の比喩ではなく、文字どおりの戦争である。 本書はこれを主題にし、強い君主が不在で「ヨーロッパでもっとも国家らしくない国家」と考えられていたイギリスが、なぜ強力な財政=軍事国家になり、18世紀以降の激しい戦争を勝ち抜いたのか、という謎を解明している。それは一般には「産業革命」で豊かになったためと考えられているが、イギリスの18世紀の成長率は年率1%弱で、フランスより低かった。では何がイギリスの強さの原因だったのか。 その一つの原因は、オブライエンも指摘する国債などの金融市場の発達である。イギリスが「産業資本主義
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