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ブックマーク / honz.jp (16)

  • 『ドリーム・ハラスメント 「夢」で若者を追い詰める大人たち』大志を抱かない生き方は許容されるか? - HONZ

    書は、大人たちの「夢を持て」「大志を抱け」という温かなアドバイスが数多の若者たちを苦しめている事実を剔出する一冊である。なんだそりゃ、軟弱すぎる、大袈裟だ、そんなわけない……などと憤る方は多いだろう。だが、大学の事務職員として学生のキャリア支援と講演活動を精力的に行ってきた著者は、一万人以上の若者の生の声を聞き、もはや看過できない域に達していると痛感する。今の時代、将来の夢の話はただの嫌がらせになるリスクのほうが高いのだ。 とはいえ、あらかじめ断っておくと、このの目的は犯人の糾弾ではない。なぜ夢の話がハラスメント化したのか。第一、夢とは何か。夢の持てる状況とはどのように生じるのか。こうしたメカニズムを詳らかにした上で、多様な生き方を受け容れる社会とはどんなものか思案・思索していく内容となっている。 まずは現状認識から。将来の夢なんかない。やりたいことがよくわからない。自分のキャリアビジ

    『ドリーム・ハラスメント 「夢」で若者を追い詰める大人たち』大志を抱かない生き方は許容されるか? - HONZ
    h_nak
    h_nak 2020/08/26
    "生まれたとき、自分を規定する身分も宗教も職業も基本的にはなく、何を目指してもOK()後発的に自分探しをしてアイデンティティを築き上げなければならない切迫に加え、何者にもなれない危険性と隣り合わせの社会"
  • 『進化の教科書 第1巻 進化の歴史』 進化入門の決定版 - HONZ

    ハーバード大学やプリンストン大学をはじめ、全米200以上の大学で採用さている教科書『Evolution: Making Sense of Life』の邦訳3分冊の第1巻である。「教科書」といっても、書は議論の余地のない事実が淡々と積み上げられた退屈なものではない。原著者は『ウイルス・プラネット』等で知られる大人気サイエンスライターのカール・ジンマーと『動物たちの武器』のモンタナ大学教授ダグラス・J・エムレンであることからも分かるように、科学読み物としての楽しさを保ちながら、確かな知識を与えてくれる内容となっているのだ。またAmazon.comでは『Evolution』の価格は12,000円以上と高価だが、この第1巻はフルカラーの図を多く含みながら、1,680円(税別)だというのだから買うしかない。さらに、邦訳者の1人には、『化石の生物学者』の著者であり『ネアンデルタール人は私たちと交配し

    『進化の教科書 第1巻 進化の歴史』 進化入門の決定版 - HONZ
    h_nak
    h_nak 2016/12/13
  • 『いま世界の哲学者が考えていること』21世紀の哲学は、現実社会の問題に対してどう向き合って行くのか? - HONZ

    哲学のを一冊ずつ読んでも、それが大きな哲学・思想の枠組みの中でどの部分に当たるのかが分からなければ、文字を目で追っているだけになってしまうし、哲学についての解説書を読んでも大抵の場合、21世紀に入ってからの最新の動向は書いていないし、おまけに議論と実社会での出来事との関連性が希薄なので、意識が朦朧としてきてしまう。そのような読者に福音をもたらしたのが書である。 哲学者の名前を、例えば、デカルト、カント、ヘーゲル、ニーチェ、ハイデッガー、サルトル、ドゥルーズ、フーコー、デリダ、チャーチランド、シンガー、クレーマー、スティグレール、クラーク、チャーマーズ、メイヤスー、ガブリエル・・・と並べた時に、一体どこまで認識できるだろうか。 多分、チャーチランド辺りから怪しくなってくるのではないかと思うが、生まれた年を見ると以下の通りになっている。第二次世界大戦後に生まれた哲学者からポストモダンの次の

    『いま世界の哲学者が考えていること』21世紀の哲学は、現実社会の問題に対してどう向き合って行くのか? - HONZ
    h_nak
    h_nak 2016/10/21
    "意識を分析する17世紀の「認識論的転回」、言語を分析する20世紀の「言語論的転回」、それに続く20世紀後半の「ポストモダン」()、21世紀における()「自然主義的転回」,「メディア・技術論的転回」,「実在論的転回」"
  • 『量子物理学の発見 ヒッグス粒子の先までの物語』量子物理学に今、革命が起ころうとしている - HONZ

    2012年に世界を震撼させた「ヒッグス粒子」の発見。書は、その発見にいたるまでの人類の歴史と、その先に広がる量子物理学のフロンティアをノーベル賞量子物理学者が綴った一冊である。宇宙の始まりを解き明かせるくらいの極小な世界を探索していく中で、今、実験物理学には大きなパラダイムシフトが起きているという。書に余すところなく描かれたそのダイナミズムを、翻訳者の青木薫さんに解説いただきました。(HONZ編集部) 実験家が一般読者のためにを書くこと自体、まずめったにない。一般向けの物理学のは、ほとんどすべてと言っていいほど、理論家によって書かれているのである。 そうなってしまう理由は明らかだ、と、書、『量子物理学の発見』の著者であるレオン・レーダーマンは、かつてこう書いている。 「なんたって連中(理論家)には、時間がたっぷりあるんだから」。 を書けるのは、ヒマだからさ、というわけだ。「いや

    『量子物理学の発見 ヒッグス粒子の先までの物語』量子物理学に今、革命が起ころうとしている - HONZ
    h_nak
    h_nak 2016/10/18
    "レーダーマンは,純粋な基礎科学研究のために開発されたテクノロジーや概念が,医療や情報通信をはじめとする多くの分野で,現実の社会に大きく貢献できるということを,最先端の現場でまのあたりにしてきたのである"
  • 『おいしさの人類史 人類初のひと噛みから「うまみ革命」まで』 - HONZ

    ニューオーリンズの日刊紙『ザ・タイムズ・ピカユーン』に勤務していた1997年に地球規模の魚類供給危機に関する記事を書いてピューリッツァー賞を受賞した著者は、2006年に独立し、夕の支度を担当するようになった。そのとき苦労したのが、家族全員を満足させる献立。息子は辛い物が好きでファストフードはべない。娘は平板な味の白っぽいべ物一辺倒。同じ親から生まれたのに、なぜ子どもたちの嗜好は、これほどにまで異なるのだろうか。そう思いを巡らせた作者は、ジャーナリストの好奇心をもって味の探求に乗り出した。 しかし、味の探求は、思っていたより簡単ではなかった。というのは、味覚は古代ギリシアの時代から、五感のなかでもっとも卑しい感覚として軽視されてきたうえ、視覚や聴覚や触覚とは違って主観的であり、個人差が大きいため捉えがたいのだ。とはいえ、近年の科学の発達にともない、こうした状況も変わりつつある。1998

    『おいしさの人類史 人類初のひと噛みから「うまみ革命」まで』 - HONZ
    h_nak
    h_nak 2016/04/28
  • 『中国第二の大陸 アフリカ 100万の移民が築く新たな帝国』 - HONZ

    書は Howard W. French, China’s Second Continent: How a Million Migrants Are Building a New Empire in Africa(Alfred A. Knopf, 2014)の全訳である。 わたしがいまアフリカで目にしているのは、中国が猛烈な勢いでつくってきたつぎはぎだらけの新たな利権領域である。この地では今、新しい帝国が出現しつつある。おそらくは周到に計画された帝国ではないかもしれない。それでもなお、帝国であることは事実だーー中国アフリカの関係をテーマに取材活動を続ける著者ハワード・W・フレンチ氏は書でこう指摘する。 著者は20年以上にわたり『ニューヨーク・タイムズ』紙の記者、支局長として世界各地を駆け巡り、その間に中国の驚異的な発展とアフリカの目覚ましい進化を目の

    『中国第二の大陸 アフリカ 100万の移民が築く新たな帝国』 - HONZ
  • 『撤退するアメリカと「無秩序」の世紀 そして世界の警察はいなくなった』 - HONZ

    イスラム国、クリミア半島、アフガニスタン、尖閣諸島……。世界各地で頻発する危機の背景には、アメリカの驚くべき方針転換があるという。書『撤退するアメリカと「無秩序」の世紀』は、ピューリッツァー賞受賞のWSJコラムニストが、歴史とデータから世界の秩序の崩壊を丹念に分析した一冊。いま世界で何が起きているのか。そして、日はどう対処すべきなのか。その読みどころを、訳者の藤原朝子さんに解説いただきます。 著者のブレット・スティーブンズ氏は、アメリカで気鋭の保守派の論客である。1973年にニューヨークで生まれ、父親の仕事の関係でメキシコで育つ。両親ともにユダヤ系で、人の謝辞によると世界各地に親戚がいるらしい。シカゴ大学で政治哲学を学び、ロンドン・スクール・ オブ・エコノミクスで比較政治学を修めた。 ジャーナリストとしてのキャリアのスタートは月刊誌コメンタリーの編

    『撤退するアメリカと「無秩序」の世紀 そして世界の警察はいなくなった』 - HONZ
  • 『世界を破綻させた経済学者たち 許されざる七つの大罪』 - HONZ

    主流派経済学にひそむ欺瞞 2008年にアメリカで勃発した金融危機は、起きるべくして起きた出来事ではあった。 リスクが大きいローン債券を証券化した「デリバティブ」(金融派生商品)が主役を演じたバブル崩壊劇であったが、そんな危険物を扱う市場を透明にしようとする努力はクリントン政権時にわざわざ禁止されていた。個々のトレーダーたちは成功すれば莫大な報酬を得る一方、失敗してもダメージは比較して小さい仕組みだったから、おのずと高リスクの取引にのめり込んでいった。なかでも証券の値下がりリスクに備える保険商品であるCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は住宅市場の過熱とともに住宅ローン担保証券の損失に対して広く用いられるようになっていたが、検査が厳格でなく、しかも発行者には準備金を積み立てる義務がなかったため、保険大手のAIGが保証金の

    『世界を破綻させた経済学者たち 許されざる七つの大罪』 - HONZ
    h_nak
    h_nak 2015/09/10
    解説 by 松原 隆一郎
  • 『偶然の統計学』その偶然、意外と起こるかも? - HONZ

    良くも悪くも、「ありえない」ことがたびたび起こるのが世の中だ。大多数の人はかすりもしない宝くじで、一等を複数回出した人は何人もいるという。統計モデルでは限りなく低確率とされていた金融市場の大暴落は、近年だけで何度も起きてしまった。 2009年9月6日、ブルガリアの国営ロトは当選番号としてランダムに「4、15、23、24、35、42」を選んだ。その4日後の2009年9月10日、ランダムに選ばれた次のロトの当選番号は、前回とまったく同じ「4、15、23、24、35、42」だった。 52年の歴史を誇るブルガリアの国営ロト史上、異例の事態である。当時のメディアは大騒ぎ。同国のスポーツ大臣は調査を命じた。大がかりな不正行為でもあったのか? 前回の番号が何らかの方法でコピーされたのか? しかし書によれば、確率を正しく見積もると、そうした限りなく起こりそうにない出来事が実は起こってもおかしくないという

    『偶然の統計学』その偶然、意外と起こるかも? - HONZ
  • 『暴力の人類史』 人類史上もっとも平和な時代 - HONZ

    テロ、紛争、無差別殺人。世界は悲劇的なニュースで溢れている。人類は自らの手でその未来を閉ざしてしまうのではないか、と不安になる。ところが、著者スティーブン・ピンカーは大胆にもこう主張する。 長い歳月のあいだに人間の暴力は減少し、今日、私たちは人類が地上に出現して以来、最も平和な時代に暮らしているかもしれない にわかに信じがたいこの説を検証し、読者に確信させるためにピンカーは、人類の暴力の歴史を大量の統計データとともに振り返る。書が上下で1,300ページ超という並外れたボリュームで膨大な文献を引用しているのは、並外れた説の主張にはそれに見合った証拠を提出する必要があるからだ。しかし、ピンカーが「統計のない物語が盲目であるとするならば、物語のない統計は空疎である」と語るように、書はデータばかりが延々と続く退屈なものではない。持続的な暴力減少を示す圧倒的な事実の積み重ねとそのメカニズムに対す

    『暴力の人類史』 人類史上もっとも平和な時代 - HONZ
    h_nak
    h_nak 2015/06/09
    "共感の輪を広げるよりも個々人の権利の尊重が暴力抑制に効果を発揮する""徹底して自身の経験にのみ基づくことが他者との摩擦を増大させ、その後の暴力の呼び水となる""世界には道徳があふれすぎている"
  • 『ぼくは物覚えが悪い』海馬を失った男は、永遠に続く30秒を生きた - HONZ

    今年も残すところあと1ヶ月となり、年忘れという言葉も聞こえてきた。皆さんにとって2014年はどのような年であっただろうか?そして来たる2015年のことを考えた時に、どのような感情が沸き上がってくるだろうか? 年の瀬ともなると、私たちは過去の出来事を頭の中で再現し、その情動を元に未来へ思いを馳せる。年を忘れるというくらいだから、辛かったことや不安な出来事を思い出す方も多いのかもしれない。いずれにせよ私たちは「今」という瞬間を疎かにするくらい、記憶というものに縛られながら生きている。それならば未来もなく過去もなく、現在進行形しか存在しない世界に行けば、不安を取り除くことは出来るのだろうか。 1953年、一人の男がてんかん治療のための脳手術を行った。左右の内側側頭葉を摘出するという実験的な手術であったものの、発作は無事に抑えられるようになる。しかしこの手術は、関わった全ての人にとって決して忘れら

    『ぼくは物覚えが悪い』海馬を失った男は、永遠に続く30秒を生きた - HONZ
    h_nak
    h_nak 2014/12/01
    "短期記憶を長期記憶に移行させるためには、側頭葉深部にある特定の脳領域が不可欠であるということがわかり、短期記憶と長期記憶のために2つの独立した記憶回路が存在することが明らかになった"
  • 『花火のふしぎ』 - HONZ

    今年も、花火の季節がやって来た。書は「ハナビスト」こと花火写真家の冴木一馬さんによる花火解説である。 冴木さんは、講演会などで必ず「花火は平和の象徴である」と言っているらしい。書にもその記述がある。2011年現在、国連加盟国は192カ国だが、そのなかで花火が開催されているのは約30カ国だ。さらに、個人がお店でおもちゃ花火を買えるのは15カ国くらいしかない。販売時期が限られている国もある。ということで、おもちゃ花火を自由に買って遊ぶことができるのは日の特徴で、平和の象徴なのだ。 小学校の頃、夜になると学校のグラウンドでおもちゃ花火をやった。ねずみ花火とか、パラシュートとか、なんか、ブーンって飛ぶやつとか。最後を飾るのはロケット花火だった。懐中電灯のまわりにカナブンが飛んできた。そうか、海外にはあまりないのか。 書は “サイエンス・アイ新書” の一冊で、花火の種類や作り方、打ち上げま

    『花火のふしぎ』 - HONZ
    h_nak
    h_nak 2014/06/04
    黒人アスリートはなぜすごいのか→アフリカンは遺伝的な多様性が大きい ”百メートル競技で世界最速の男がアフリカンである可能性が高いとすると、世界最遅の男もまたアフリカンである可能性が高いということ”
  • 植物に知能はあるか ―― そもそも知能ってなに? - HONZ

    『ニューヨーカー』誌の2013年12月23日&30日合併号に、マイケル・ポーランが「植物に知能はあるか」というテーマで力作レポートを寄せていました。ポーランは、カリフォルニア大学バークレー校でジャーナリズムのジェームズ・ナイト教授職にあり、を書けば毎度ニューヨーク・タイムズのベストセラーリスト入りを果たすという売れっ子ノンフィクション作家でもあります。それに加えて、彼はアマチュアの料理人でもあるんですよね。最新作”Cooked”については、稿の最後でさらっとご紹介いたしますが、なにせ売れっ子なので、タイトルよりも著者の名前の方が目立つカバーとなっております(^^ゞ さて「植物に知能はあるか?」と聞いて、「それってトンデモ?」と思った方もいらっしゃることでしょう。そう思われるのも無理はありません。なにしろ、「植物には感情がある」とか「植物は人間と心を通わせることができる」といった話には、

    植物に知能はあるか ―― そもそも知能ってなに? - HONZ
    h_nak
    h_nak 2014/06/04
    "植物シグナリング"植物が仲間の植物や動物に信号を送ること.歯が虫に食べられると化学物質を放出する"地下植物ネットワーク"古い木が生育条件の悪い幼木に優先的に栄養を回すなどの采配.余剰糖質をやりくりし合う
  • 『代替医療解剖』文庫版訳者あとがき by 青木薫 - HONZ

    稿は、2013年8月に文庫化された『代替医療解剖』の訳者あとがきです。2010年1月に刊行された単行『代替医療のトリック』の翻訳者あとがきはこちらから(※編集部) この文庫版のための訳者あとがきでは、書の単行が刊行されてからこれまでに起こった代替医療関係の出来事のうち、とくに興味深いと思われるものを2つほど取り上げてご紹介したい。 まず1つ目は、書の著者の1人であるサイモン・シンが、英国カイロプラクティック協会に名誉毀損で訴えられた一件である。2008年、書の原書がイギリスで刊行されるのに合わせ、シンは『ガーディアン』紙のウェブ版のコラムで、子どもの腹痛や喘息などを治療できるとして、子どもに施術しているカイロプラクターがいると述べた。 英国カイロプラクティック協会はそれに対し、シンの書き振りは、まるで協会の指導部がそれと知りつつインチキ療法を許しているかのように読め、事実上、協

    『代替医療解剖』文庫版訳者あとがき by 青木薫 - HONZ
    h_nak
    h_nak 2013/08/29
    イギリスの名誉毀損ツーリズム,プラセボ効果の研究,喘息患者の例→偽の治療グループには呼吸機能の改善は見られなかったが,患者への聞き取りでは本物の治療グループと同じように症状が改善したと報告した
  • 『ヒトはなぜ神を信じるのか』 逃れられない神の目 - HONZ

    「科学と宗教」という、既に語り尽くされたと思われるテーマに、無神論的心理学者の著者ジェシー・ベリングを向かわせたのは、母の病気である。ベリングが10代のころ、彼の母はがんと診断された。母の病状を聞いたとき、神の存在を微塵も信じていなかった彼の頭に、意外な言葉が浮かんだ。 神はぼくのことをほんとうに嫌っているんだ 反射のように浮かび上がった神を、ベリングは理性の力で即座に振り払った。母の症状が科学的に説明できることを理解していた彼の心にまで、神は間違いなく現れた。この経験以来、彼は信仰と能の関係を研究し続けている。 「無神論的信念」と「神という心の錯覚」を同時に経験した、という思想家は多い。神を嫌悪、拒絶していたジャン=ポール・サルトルでさえ、神の声から完全に逃れることはできなかった。内縁のによるとサルトルは、「自分の生には生まれもった目的がある」という感覚を前にすれば、自らの無神論的確

    『ヒトはなぜ神を信じるのか』 逃れられない神の目 - HONZ
  • 『文明と戦争』 宿命としての戦争 - HONZ

    人類200万年の「戦争の謎」のほとんどに答えを出そうとする野心的な書は、上下巻合わせて996ページ、総重量1.2kg、翻訳者13名、そして7,560円という規格外のボリュームである。全17章から成る書は3部構成となっており、それぞれが「戦争は人の能か、それとも文明による発明か?」、「戦争と文明の発展はどのように相互作用したのか?」、そして「近代化は戦争をどのように変質させたのか?」を主題として、戦争にまつわる多くの謎に光を当てていく。 そのボリュームに比例して、書の考察対象は途方も無く広いものとなっている。時間軸で見れば、武器すら持たない狩猟採集民時代から核・生物兵器によるテロの恐怖に怯える現代まで、地理的に見れば、先史時代の手がかりを残すオセアニアや南北アメリカから世界の覇権争いを主導したユーラシア大陸まで、学問領域を見れば、人類の能を辿る人類学から制度と現象の因果関係を考察す

    『文明と戦争』 宿命としての戦争 - HONZ
    h_nak
    h_nak 2012/08/27
    "「自然状態」における狩猟採集民の成人同士の暴力による死亡率が約15%(男性では25%)" "国家の形成によって戦闘による死亡率が減少した" "(…)比較研究は、全ての集団に戦争の経験があることを明らかにしている"
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