この映画は、21歳(本人いわく16歳と62か月)のオタク大学生女子「ぼん」と、彼女の幼なじみの18歳の浪人生オタク男子「リンちゃん」が、東京で彼氏と同棲中らしい親友「肉便器ちゃん」を助けに行く、というお話だ。 画面にまず映し出されるのは、こんな手書きの文章。 〈僕の悪い予感が当たった。 「ぼん」こと、ねえさんが初めて描いたボーイズラブ(BL)の同人誌がネットにさらされ、嘲笑の対象になっているのを僕が発見してから、約一か月が過ぎた。 その間ねえさんはひどく落ちこんでいたのだが、突然、「肉便器と連絡がとれない! おかしい!」と発奮し、とてもやっかいなことを思いついてしまった。 肉便器救出作戦──東京で彼氏と同棲中の親友「肉便器」の家を突撃し、彼女を連れて帰るというのだ〉 つらい。 「ぼんとリンちゃん」は、美少女ゲーム&アニメ、ボーカロイド、それからBL(腐女子)などのオタク文化をリアルに切り取