最近、大手書店で文字の大きい大活字本を見かけるようになった。インターネット上で販売されている電子本は、音声化して聴くこともできる。障害者や高齢者、誰もが読書を楽しめる、こうしたユニバーサルデザインの本が、身近な場所で買えるようになってきている。(宮木優美) 先月12日、東京都内で開かれた「東京国際ブックフェア」会場の一角で、全盲の松井進さんが、パソコンを操りながら、電子本を音声で聴く“読み方”を披露していた。 千葉県立中央図書館で働く松井さんは、新刊本を読みたくても点訳・音訳を待たねばならず、図書館で借りるしかない視覚障害者の読書環境に疑問を感じていた。「電子本なら、皆さんと同じように、誰の手も借りずに欲しい時に本を買い、読むことができるようになるんです」と話す。 講談社、角川書店、新潮社など複数の大手出版社が採用する電子書籍フォーマット「ドットブック」を開発したソフトウエア会社「ボイジャ