一般に行政救済3法と呼ばれるのが、行政事件訴訟法、行政不服審査法、そして本書の国家賠償法です。弊社条解シリーズは、すでに行訴法、行審法に関しては刊行し、幸いにして定評を得て参りました。そしていよいよ行政救済3法、最後の国家賠償法の条解の刊行です! 国家賠償法は、わずか6か条の簡潔な法律ですが、施行からすでに70年以上を経た今日まで、一度も改正されていないばかりか、改正を求める主張もほとんどされてきませんでした。その一因は、判例・学説が、国家賠償法の条文を柔軟に解釈して、同法を社会の変化に適合させてきたことに求められるのではないでしょうか。条文が簡潔なだけに、同法の解釈についての判例・学説の占める比重は非常に大きいといえ、本書は、施行後70年余りの間に蓄積されてきた同法をめぐる判例・学説を整理しました。同法の中心をなす1条と2条については、総論部分のみならず、類型別の項目も設け、さらに、国家