帝都はあの騒乱以来、初めてと言っていいほどに活気のある賑わいを見せていた。 あちらこちらに露店が立ち、なし崩し的に中断させられた春の大祭を改めて楽しもうと、大通りは多くの人々でごった返している。 しかし、その盛り上がりとは裏腹に、まだまだ無惨な姿をさらしているところもあった。物資の配給が追いつかず、人手不足も深刻だ。騒乱の爪痕は、確かにまだ残っていた。 それでも、人々の顔には輝きが戻りつつある。 くよくよ悩んでいても仕方がない、泣く暇があったら体を動かす――口で言うのは簡単だが、実行するのはそれとは比較にならないほど難しい。それをなすことができる帝都の民はたくましかった。 まだ主要な大通りでさえ復旧が叶っていないところが多いというのに、これだけの人が集まっているのには訳があった。 今日は〝大葬祭〟が開かれる日であった。もちろん、あの騒乱によって犠牲となった人々の弔いのために催されるものだ。