伊那市高遠町図書館は、8代にわたり高遠藩主を務めた内藤家や高遠藩に関連する資料叢書「高遠藩資料」全12冊を完成させた。これまでに元国学院大学文学部史学科講師の故・長谷川正次さんが古文書「世乗」全15巻、「内藤家十五世紀」本編3~12巻の3~6巻を翻刻して資料10冊を発行。長谷川さんの死後、同館は長谷川さんが「内藤家十五世紀」本編7~12巻を書き起こした資料を基に2冊にまとめた。内藤家や高遠藩の歴史を知る上で貴重な資料が読みやすい形で編集され、同館で貸し出しと販売を行っている。 長年、高遠藩史を研究してきた長谷川さんは2009年から、内藤家から旧高遠町に寄贈された「世乗」と「内藤家十五世紀」を編集した。「世乗」は、高遠藩の祐筆だった山下利章が文政年中ごろに藩の古文書を整理研究して記録したもの。内藤家の世譜や歴代当主の略歴のほか、高遠藩の初代藩主、内藤清枚(1645~1714年)から最後の高遠