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ブックマーク / lambamirstan.hatenablog.com (128)

  • 老後の住環境 (1) - 和尚さんの水飴

    終の棲家が重しとなる 老後を考えると言うと、真っ先にお金のことが頭に浮かぶ人が多いのでしょうが、私は、自分の両親の老後生活を見て、どのように暮らすのかを具体的にイメージすることの方がより大事だと思いました。 老後の暮らし方次第で必要な生活費も変動します。リタイアした段階で十分な資金が手元に用意出来たと思っていても、受け取る年金と生活レベルが見合っていなければ、預貯金からの取り崩しが予想を超えて、老後生活が破綻することだってあり得るのです。 また、お金の心配が無くても、自分たちのスタイルと合わない環境で暮らすことになると、老後生活はとてもストレスフルなものになってしまいます。従って、どのように老後生活を送るのかを出来るだけ具体的に考えておくことが必要だと思います。 私の両親は、父親のリタイアを機に伊豆の観光地に引っ越しました。夫婦二人でのんびりとした生活を満喫したいとの希望を叶えたかったので

    老後の住環境 (1) - 和尚さんの水飴
    A---chan
    A---chan 2020/10/07
  • 結婚と非婚 天の気まぐれ (2) - 和尚さんの水飴

    酸っぱい葡萄 すでに退職してしまいましたが、私の勤め先で女性初の幹部社員になったOさんと言う先輩がいました。かつて“男社会”だった会社の中で、女性が管理職になるのは大変なことだったと思います。 Oさんは部下や同僚にとても厳しい人でした。ただし、その厳しさは仕事に対するものでは無く、周囲に対する敵意にも似たものでした。 仕事に打ち込み、その成果が認められ出世してきたOさんでしたが、彼女が結婚直前で婚約を解消された話は社内で知らない者がいませんでした。社内恋愛だったのですから仕方ありません。お相手はしばらくして別の女性と結婚しました。 そんなOさんは、仕事は順調でも、私生活でのやり場の無い憤りがあったのではないでしょうか。その矛先が自分の部下に向けられていたのではないかと想像します。 Oさんの下で働く部下の何人かは、体調を崩し異動させられたり、退職していきました。当時はパワハラという言葉も無い

    結婚と非婚 天の気まぐれ (2) - 和尚さんの水飴
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    A---chan 2020/10/05
  • 結婚と非婚 天の気まぐれ (1) - 和尚さんの水飴

    余計なお世話 結婚して子供や孫を授かり一生を終える人もいれば、生涯独身を貫く人もいます。そのこと自体が幸不幸を決めるものでは無いのですが、結婚“そのもの”を強く望む人がいれば、反対に絶対に結婚はしないと宣言する人もいます。結婚を希望する人も非婚を貫こうとする人も、結婚と言う二文字に拘っている点では同じなのかもしれません。 私の勤め先では、四半期ごとに社内報が発行されるのですが、かつて、誌面のコーナーのひとつに社員の結婚報告なるものがあり、新婚社員の写真やプロポーズの言葉などが記載されました。また、社員の子供の誕生を報告するなど、良く言えば“アットホーム”な誌面作りを心掛けていました。 そのコーナーはいつの間にか無くなり、社内報は会社の事業報告や事業所ごとのトピックスなどに限られるようになりました。大きな理由は、結婚や出産などはプライベートなことで、社内にわざわざ公表するものではないと言った

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    A---chan
    A---chan 2020/10/02
  • 家族の危機管理 - 和尚さんの水飴

    やればできる子 パートナーとの共同生活や、子供を含めた“家族”としての生活を維持するとなると、自分自身の自律心だけでは足りず、家族を一つにまとめるためのリーダーシップが欠かせません。今の時代、配偶者や子供に指図するだけで、自分はふんぞり返って何もしない人間はリーダーシップがあるとは言えず、自ら率先して家族を牽引する姿勢が必要なのではないでしょうか。もはや仕事を言い訳に家事や子供の教育から逃げ通すことなど出来ない時代なのです。 家庭内での役割分担を考える時も、誰かに過大な負担がかかるようでは、やがて不満が爆発することになります。家族全員が公平に苦労を分かち合えるように配慮しなければ、いざと言う時に家族がお互いを信頼できなくなってしまいます。 コロナ禍は、私たちの生活スタイルを一変させました。行動の自由が制限されたことを始め、マイナス面を挙げればきりがありませんが、プラスの面もあります。我が家

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    A---chan 2020/09/29
  • 正義と悪意 - 和尚さんの水飴

    人を傷つける正義感 有名人の不倫は、週刊誌やテレビにとっては最高のネタであることは今も昔も変わりません。とりわけ、理想の夫婦としてもてはやされ、コマーシャル契約を多数抱えている場合には、スキャンダルはスポンサーのイメージダウンになることから、メディアはプライバシーを暴くことの正当性を堂々と主張できるわけです。 一般人の不倫の場合、“不倫された側”が被害者であることは間違いありません。しかし、たまたま不倫関係を知った第三者は利害関係者ではありませんので、余計な行動を取るべきでは無いと言うのが私の考えです。もちろん、不倫を正当化する気など毛頭ありませんが、夫婦間のことに他人が口出しするのは、被害者にさらなる苦痛を与えることにもなりかねません。 不貞行為を暴露する以外に、解決方法はあるはず。世の中の全てが、正義感や正論だけで片付くことなど無く、時には正義感が人を傷つけることもあるのです。 いつも

    正義と悪意 - 和尚さんの水飴
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    A---chan 2020/09/27
  • 残酷な言葉 - 和尚さんの水飴

    寂しい死 先月、私の歳の離れた従姉が他界しました。70歳手前での死は、今の時代では早死にと言っても良いのかもしれません。 従姉は自宅で倒れ、そのまま意識が戻ることなく2か月余りを病院で過ごしましたが、おそらく人は自分が倒れたことも知らずに息を引き取ったのだと思います。 このご時世、例え身内であっても見舞いは禁止、私は入院中の従姉に会うことが出来なかったばかりか、通夜・葬儀も参列できませんでした。喪主の従兄からは、小さな町ゆえ、東京から身内が葬儀に顔を出したことが知れると、町での生活に差し障りがあると言われました。コロナ禍の影響とは言え、身内の最期を見届けることが出来ないとは、何ともやるせない気持ちで一杯になります。 従姉は、まさか自分が突然死ぬとは思っていなかったはずで、やり残したことも多かったことでしょう。そのうちの一つは、彼女の娘との和解でした。その願いを叶えられずに、従姉は寂しい思

    残酷な言葉 - 和尚さんの水飴
    A---chan
    A---chan 2020/09/25
  • 失敗と教訓 (2) - 和尚さんの水飴

    失敗だけはしたくない 失敗すること自体が嫌なので、自分が主体となって仕事はしたくないと言う若手社員。もし、私の下にこのような部下が異動してきたら、お手上げかもしれません。人に仕事に取り組む意欲がなければ、どんなに潜在能力があっても、それを引き出すことは難しいと思います。 仕事をさぼるわけでは無くても、向上心が無かったり、責任回避するタイプだったりすると、新しい課題にチャレンジさせることすら出来ないのです。ましてや、今の管理職は“ハラスメント”と言う言葉にとても敏感です。部下に仕事の指示をするにしても、相手の受け止め方次第でパワハラになってしまうのですから厄介です。 その一方で、グループの中での役割分担の公平性を保つためには、グループ員の力量を見ながらも仕事の負荷に偏りが無いように配慮する必要もあるため、グループ員全員の仕事に対する志向がある程度同じ方向を指していないと、組織の中に軋轢を生

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    A---chan 2020/09/24
  • 失敗と教訓 (1) - 和尚さんの水飴

    失敗の積み重ね 失敗を重ねて得た教訓は、教科書で学んだ知識よりも現実の世界で役立つものです。ただし、失敗を積み重ねるだけでは何の教訓にもなりません。失敗から学んだことを、将来に活かせる知見として蓄積していく必要があります。 誰でも失敗はしたくないものですが、失敗することで得られるものがあるのなら、それが致命的な過ちとならない限り、自分の成長の糧になるのですから、恐れることなど無いと思います。 会社の仕事に限らず、何かに取り組む時には、試行錯誤を繰り返してスキルを身に着け高めていきます。失敗を重ねた先に新しい発明や発見があるのです。ところが、最近は、何かを手に入れるため、あるいは達成感を得るためだとしても、失敗するリスクは取りたくないと言う若手社員が増えてきています。 責任回避型社員 先日、私の勤め先で、丸一日かけて管理職研修がありました。もちろん、今や研修と言っても会議室で行うわけではなく

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    A---chan 2020/09/20
  • 中傷のための中傷、批判のための批判 - 和尚さんの水飴

    拒絶か、理解か 自分の考えにケチをつけられて気分が良い人はいないはずです。親切心から良かれと思ってアドバイスされたことでさえ、言い方、受け止め方によっては気分を害したり、修復不可能なほどに人間関係を壊してしまったりすることだってあります。悪気は無くても、物は言いよう。それだけ、物事の伝え方は気を遣うものです。もっとも、大半の人はそのような気遣いを自然と行なっているのではないでしょうか。 仕事でも私生活でも、人とのつながりの中で生きていれば、波風を立てずに過ごしたい人がほとんどだと思いますが、ときに、相手の気持ちはお構いなし、と言う自分位の人間が現れます。自分の考えと少しでも違う人を敵視し、拒絶する。そればかりか、故意に相手の心を傷つけるような罵詈雑言の限りを尽くして、追い込もうとする人間もいます。 また、人の揚げ足取りに喜びを感じ、歯ぎしりする相手の顔を思い浮かべて、常に粗探しをする者が

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    A---chan 2020/09/18
  • 感情の源泉 (2) - 和尚さんの水飴

    感情と向き合う時間の必要性 今の職場に不満は無いと言う人は別として、何等かの不満を覚えて、感情を抑えながら仕事をしている人は、日々の仕事に流されずに、忙しく、心に余裕の無い時こそ、自分の感情と向き合う時間を設けるべきだと思います。怒り、疲労、恐怖など、負の感情を抱いているとしたら、それは何が原因なのかを自問することによって、どうすれば解決できるのかは分からないにしても、そのヒントを手に入れることぐらいは出来るかもしれません。 自分の感情と向き合うことを避けていると、やがて自分で自分が何を考えているのかすら分からなくなってしまいます。自分の考えがまとまらない、何を考えているか自分でも分からない、そうなると、やがて考えることが面倒になって、考えようとすること自体を諦めてしまうことにもなりかねません。 私は、一番多忙を極めた時期、会社で寝泊まりするような生活をしていたことがあります。これは、以前

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    A---chan 2020/09/16
  • 感情の源泉 (1) - 和尚さんの水飴

    冷静な振り 自分の周囲を眺めてみると、感情表現豊かで分かりやすい人もいれば、何を考えているのか全く理解できない人もいます。突然怒り出し、何が原因なのか見当もつかない厄介な人もいます。 自分の外に向かって当たり散らしたり、周囲の人々を振り回したりすることによって、自らの心の均衡を保とうとする人を見ると、「自分はあんな風にはなりたくない」と思います。しかし、自分の内面を見つめ直すと、自分も紙一重なのかもしれないと不安に感じることがあります。表には出さなくても、自分にも負の感情を押さえつけた経験が何度もあります。堪え切れずに感情を爆発させてしまったとしたら、私も“感情的な人間”だと思われたことでしょう。 歳を取ると角が取れて性格が丸くなる、などと言われることがありますが、これについては私は否定的です。短気やせっかちを全て加齢のせいにできないのと同様に、穏やかな性格は加齢によるものでは無く、人付き

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    A---chan 2020/09/13
  • 素敵な退職 - 和尚さんの水飴

    役職と体面 2年前、私の部署で定年退職し、嘱託として再雇用されたNさんと言う人がいました。入社年次では、私の先輩であり、私も若い時にお世話になったこともありました。Nさんは、退職前までは部長補佐として部を盛り立ててくれたのですが、現役時代の貢献度がどんなに高くても、嘱託となれば担当してもらう仕事を変えざるを得ません。退職し、改めて雇用され、一部員として自分よりも若い上司の元で働いてもらうことになるのです。 今でも変わりませんが、再雇用嘱託社員のモチベーションをどのように保つかは、管理職の悩みの種でした。これまで責任のある役職に就いていた社員が、若手社員と並んで仕事をすることを受け入れられるかどうか。若手社員の教育係として活用する道はあるのか。特定の課に属せず、部長直下で特命の仕事を任せるのはどうか。いろいろな案が出る中、結局は人のやる気次第と言う結論となり、会社として嘱託社員の待遇を真剣

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    A---chan
    A---chan 2020/09/11
  • 本当の「できない病」とは? - 和尚さんの水飴

    できないものはできない 以前の記事で、「できない病」について触れたことがあります。「人がいない」、「予算が無い」などを言い訳にせず、仕事を進める知恵を出すのが社員の務め – そんな社内ポスターの話でした。 lambamirstan.hatenablog.com lambamirstan.hatenablog.com しかし、冷静に考えてみれば、就職氷河期で採用を絞り、長引く景気低迷の中、コスト削減や合理化を進めてきた会社であれば、すでに「やるべきことはやった」というレベルに達しているのではないでしょうか。この上乾いた雑巾をいくら絞っても何も出てきません。できないものはできないのです。 コロナ禍の影響により、程度の差こそあれ、どの業界でも先行きの不透明感が一層高まってきていることは否めません。しかし、コロナ禍以前に、会社の経営者であれば、先を見越して会社の“贅肉”を落として筋肉質の組織に体質

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    A---chan 2020/09/08
  • 退職後の人生設計 最初に考えること - 和尚さんの水飴

    燃え尽き老人 会社のOBに会うのは、楽しみでもある反面、ショックを受けることもあります。退職後の老後生活を満喫している様子顔を見て分かる人もいれば、中には、現役時代のギラギラしていた目が落ちくぼんで、生気を失ってしまった人もいます。 私の勤め先では年1回、役員や社員のOBとの懇親会を開催しています。総務部と秘書室が幹事となる集まりなので、現役役員と一部の社員が出席することになるのですが、私はある時期からいろいろと理由をつけて欠席を続けています。 あまり気が進まないという理由もあるのですが、もっと大きな理由は、円満退職とならなかった元社員を排除していることです。不祥事を起こして退職したわけでも無いのに、上からの覚えが良くなかったOBや主流の経営陣との関係が悪かった役員は、懇親会への案内が届きません。私は秘書室に勤めていた時にそのことを知って、やるせない気持ちになってしまいました。 現役時代の

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    A---chan 2020/09/07
  • 働くこと、生きること (2) - 和尚さんの水飴

    生きることの理想と現実 理想の生き方とはどう言うものを指すのでしょうか。これは人の価値観が大きく影響するので一概には言えませんが、心の安寧を維持したいというのは誰もが望むものだと思います。そのためには何が必要なのでしょうか。 言い方を変えると、今の生活に満たされていないと感じているとしたら、何が欠けているのでしょうか。お金? 時間? 心穏やかに過ごすために何が必要なのでしょうか。 お金に困らない生活がしたいとは誰でも思うものですが、財布の中身を気にせず何でも買えるようになれば心が満たされるのかと言うと、必ずしもそうとは言えなさそうです。お金は将来への不安を解消することには役立つかもしれませんが、「お金さえあれば」心の平和が訪れるとは限りません。 時間がもっとあれば、いろいろなことができるのに。日頃時間が足りないと嘆いている人も多いのではないでしょうか。しかし、思いがけずたくさんの時間を手に

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    A---chan 2020/09/04
  • 働くこと、生きること (1) - 和尚さんの水飴

    働くことの理想と現実 学業を終えたら、働いて自立する。私はそのことに何の疑問も持たずに就職しました。それから約30年。もう定年が現実のものとしてすぐそこまで来ています。 これまで、折に触れ、働くことの意味を後付けでいろいろ考えてきましたが、どれも腹落ちするようなものではありませんでした。 会社は事業目的がはっきりしています。どのような会社も何等かの形で社会に貢献することが事業の目的になっています。中で働いている社員は共通の事業目的に様々な形で貢献することと引き換えに給料をもらっています。 しかし、もらった給料分の働きをしている社員はどのくらいいるのでしょうか。高い報酬に見合った活躍をしている役員はどれくらいいるのでしょうか。恐らく、一部の人間の活躍で会社は利益を上げ、大半の社員はそのおこぼれに与っているだけなのではないかと、私は思います。 かく言う私も、これまでの仕事を振り返ると、成功して

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    A---chan 2020/09/03
  • 歳を重ねることの価値 - 和尚さんの水飴

    加齢で性格が変わる? 先日、の通院に付き合った時のことです。事前予約制の病院でしたが、いつも受付時間どおりに診察が受けられるわけでは無く、15分~20分程度の遅れは当たり前でした。 その日、と私が待合室のソファで診察を待っていると、60代半ばとみられる男性が、受付のカウンター越しにスタッフの女性を大声で怒鳴り始めました。大きな声でのやり取りなので、その男性と受付スタッフの声が聞くともなしに耳に入ってきます。 どうやら、予約時間を過ぎているのに自分が呼ばれないことに立腹している様子。まだ若い受付スタッフでしたが、毅然とした態度で呼ばれるまで待つようにその男性に言いました。恐らく、その物言いが気にわなかったのでしょう。目上の人間に対する態度を詰った挙句、男性は責任者を呼べとさらに大きな声を上げました。 病院を訪れる人々は、大概どこか体の調子が悪いからそこにいるわけで、早く診察を終えて家に

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    A---chan 2020/08/30
  • 恥かきの度胸 - 和尚さんの水飴

    人付き合いの名人 私の会社の大先輩でユニークな人がいました。すでに鬼籍に入って5年以上経ちますが、たまにその人のことを思い出すと顔が緩んでしまいます。 その先輩は、誰とでもすぐに親しくなれることが特技と言ってもいいくらいで、初対面の人でもあっという間に相手の懐に入っていってしまうような人でした。それが、日人であっても外国人であっても変わらないところがさらにすごいところでした。 他方、先輩は憎めない性格で、下の人間は親しみを持って接するのですが、上司や同僚からの評判はいまひとつ。先輩の、奥様一筋で会社の仕事よりも家庭を大切にする生き方を疎んじていました。思うに、先輩は生まれたのが20年早過ぎたのだと思います。 言葉の通じない土地で さて、ある時、ロシアのある地域の駐在事務所にその先輩が駐在したことがあります。前任者が体調を崩し、急遽後任を探さなければならなかったのですが、社内にロシア語が話

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    A---chan 2020/08/28
  • 衰えと成長 - 和尚さんの水飴

    鏡の中の自分 私が中学生の頃でした。母親が洗面所の鏡の前に佇み、頭の生え際を指でなぞりながらため息を吐いていました。当時、母は40に差し掛かったばかりでしたが、白髪が気になるようでした。 その頃は、自分もそのくらいの年齢になれば白髪が生えてくるのかと、あまり深く考えもしていませんでしたが、自分が30代後半になると、ちらほらと白いものが気になるようになってきました。最初は白髪を見つけるたびに抜いていましたが、次第にそれも億劫になるほど白髪が増え、無意味な格闘は止めることにしました。 普段、自分の顔を見るのは髭剃りの時くらいですが、たまに、まじまじと鏡の中の自分を眺めると、年波に晒された中年の顔がそこにあることに愕然とします。 自分もそうなら、他人も然り。久しぶりに知人に会った時に相手の風貌が変わっていると、誰でも相応の年齢を重ねるものなのだと感じる一方で、いざ話をしてみると、そこには以前と変

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    A---chan 2020/08/26
  • 役職の器 - 和尚さんの水飴

    偉くなるための条件 会社にしても家庭にしても、信頼できる人間でなければ誰もついてきません。会社では、株主総会や取締役会の専決事項以外は、社長以下取締役や幹部社員が、事案の重要性によって決裁承認権限を持っています。 それは、会社の規程で決められたルールに過ぎず、権限を有する者が様々な事案を的確に判断できる能力を兼ね備えているか否かとは別問題です。もちろん、会社という組織の中では、時に全く異なる部門への異動や転勤があり、“畑違い”の仕事だから自分では判断できない、などと言っていては仕事が回りません。従って、幹部社員になり、任される部隊が大きくなればなるほど、自分の部下の力量を把握して、潜在能力を引き出すことができるかがカギとなり、また、部下から可能な限りの有用な情報を集めて、物事を判断していかなければならないのです。 部下の力を伸ばして、組織力を高め、的確な判断を下して、仕事を円滑に回す。その

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    A---chan
    A---chan 2020/08/24