45.ただその四十分の為だけに(「告別演奏會顛末記」その後)(27) 「ねえクマさん、ちょっといい」 午前の授業が終了して帰り支度をするクマにヒナコはそう切り出した。クマは返事はせず顔だけ彼女の方に向ける。 「あのう、7組の藤森君って知ってる」 「あー、うん、確か同じ中学だったけど、よく知らないし、親しくもない。あいつがどうかしたの」 「うん、えーっと、何でか判らないけど、こないだから家に何度もしつこく電話してきたり、学校でも廊下ですれ違ったら話しかけてくるの」 「ふうん、あの男とは話した事ないし、別に目立ってもいなかったから良く分からないけど、人畜無害なタイプの人間だと思ってたけどね。でも普通に考えて、そういう事をするのはアナタに気があるからでしょ。で、何ていってるの、奴は」 「今度、映画に行こうとか、食べ物は何が好きとか」 「で、アナタはどうなの」 「はっきり言って迷惑なの。なんかフニ
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