タグ

ブックマーク / napdan325.hatenablog.jp (2)

  • 緒永廣康 「ソメチメス」(sometimes)65 - napdan325’s blog

    45.ただその四十分の為だけに(「告別演奏會顛末記」その後)(27) 「ねえクマさん、ちょっといい」 午前の授業が終了して帰り支度をするクマにヒナコはそう切り出した。クマは返事はせず顔だけ彼女の方に向ける。 「あのう、7組の藤森君って知ってる」 「あー、うん、確か同じ中学だったけど、よく知らないし、親しくもない。あいつがどうかしたの」 「うん、えーっと、何でか判らないけど、こないだから家に何度もしつこく電話してきたり、学校でも廊下ですれ違ったら話しかけてくるの」 「ふうん、あの男とは話した事ないし、別に目立ってもいなかったから良く分からないけど、人畜無害なタイプの人間だと思ってたけどね。でも普通に考えて、そういう事をするのはアナタに気があるからでしょ。で、何ていってるの、奴は」 「今度、映画に行こうとか、べ物は何が好きとか」 「で、アナタはどうなの」 「はっきり言って迷惑なの。なんかフニ

    緒永廣康 「ソメチメス」(sometimes)65 - napdan325’s blog
    A---chan
    A---chan 2020/07/04
  • 緒永廣康 「ソメチメス」(sometimes)62 - napdan325’s blog

    42.ただその四十分の為だけに(「告別演奏會顛末記」その後)(24) 「そろそろ」クマはそう切り出すと皆の顔を見ながら続けた。「演目を全て決めないと間に合わなくなると思うんだけど」、アグリー、ヒナコ、ムーの三人は夫々頷く。 1974年9月、新学期は既に始まっている。世田谷区民会館の番まであとひと月半、もうそれ程時間は残っていなかった。 「それで整理すると、決まっているのは、アグリーの『観覧車』。それからヒナコの『さようなら通り過ぎる夏よ』と『秋祭り』。そしてムーの『ぎやまんの箱』と『ゆりかご』。以上五曲だけど、これでいいよね」 「そうだね、後二、三曲いるって事か」アグリーが答えるとヒナコがそれに続けた。 「あとはクマさんのじゃない」 「うん、それで考えたんだけど、僕の『君に捧げる歌』とアグリーの『君への賛歌』をメドレーにして一曲にしたらどうかと思うんだ」 三人は黙ってクマの顔を見た。 「

    緒永廣康 「ソメチメス」(sometimes)62 - napdan325’s blog
    A---chan
    A---chan 2019/12/10
  • 1