仏教は「誰とでも仲良くしろ」とは言わない 「人」という漢字は、二人の人が寄りかかっている姿から作られた象形文字です。「人間」という言葉は、人の間(人の間)と書きます。これらの言葉が示す通り、人は、一人では生きていけません。だから家族をつくり、仲間をつくり、社会を作って、互いに助け合いながら生きています。 仏教では、こうした社会の中で私たちが関係するすべての人々を「友」と呼んでいます。しかし、一口に「友」といっても、世の中には、色々な「友」がいます。 当たり障りのない友もいれば、悪友もいれば、善友もいる。仏教では、「悪友を避けて、善友と関わりなさい」と教えています。 そのような話をすると、「え? 仏教は誰とでも仲良くしなさい、という教えではないのですか」と意外に思う人もあるかと思います。けれどもお釈迦さまは、道を成すためには、「善友がすべて」とまで言い切っておられるのです。なぜか。それは、私