2021年5月26日、諏訪大社に珍しい光景が広がりました。諏訪大社の境内に居並ぶのはお坊さんたち……神社にたくさんの“お寺さん”が集まったのです。 この日、お坊さんたちが諏訪大社下社秋宮に集まったのは、あるプロジェクトのため。そのプロジェクトとは「諏訪大社上下社神宮寺由来仏像一斉公開プロジェクト」です。 諏訪大社と一体だった仏教 プロジェクト名にも入っている「神宮寺」というのは神社に付属して建てらたお寺のこと。仏教のお寺と神道の神社はルーツの異なるものですが、「神様仏様」と並べるように、日本では「神仏習合」という形で神道と仏教は融合していました。 諏訪大社もかつては上社・下社ともに神宮寺が一体化しており、多くの仏像や仏教建築が存在していました。 仏教と神道が現在のようにはっきり分離したのは明治の新政府が誕生してから。神仏分離政策によって神宮寺も廃止となり、その流れのなかで「廃仏毀釈」と呼ば