音楽ソフト(CD、DVDなど)の売り上げ低下、アイドルたちに独占されるヒットチャート、若者の音楽離れ。音楽業界には悲観的なニュースが飛び交っている。日本ではもう新たな音楽は生まれていないのか、ぶつける先のない思いを音に託す若者はいなくなったのか。もちろん、そんなはずはない。 著者である都築響一は、今いちばん刺激的な音楽は地方から発信されているという。大手レコード会社やマスメディアの集まる東京から遠く離れたストリートで、自らが生まれ育った街にとどまり、刺激的なビートにリアルな言葉を乗せているラッパー達がいるという。 彼らはどのような人生を歩み、どのようにヒップホップと出会い、なぜ今でも地方でラップを続けているのか。著者は、札幌、山梨や京都など全国各地に赴く。599ページにわたる本書には、15名のラッパーたちへのインタビューとともに、彼らのリリック(詩)が多数掲載されている。彼らが住む街、ライ
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