3回目を見てきた。 私のこの作品への評価はほぼ固まっているが(1回目の感想、2回目の感想)、いくつか確認したいことがあった。ひとつは、クモを闇に返すときのテルーの表情と口調。もうひとつは、アレンが国に帰る決意を語るときの表情と口調。いずれも、この映画をしめくくる重要なシーンだが、2回見た記憶をたどってみても、自分の解釈に確信がもてなかった。これらの重要なシーンで、あいまいな印象を残してしまっている点で、この作品は多くの人を納得させる力を欠いているのだと思う。 しかし私は、このようなあいまいさを残した表現が、嫌いではない。作者の控えめな表現の意図を、後になってよく考えてみる楽しみがある。すべてを明快に語りつくした作品では、このような味わい方はできない。本でも、一度読めば十分な作品と、何回も読み返したくなる作品がある。私にとって、アニメ「ゲド戦記」は後者である。 「あいまいさを残した表現」とい