通信教育大手ベネッセホールディングスの顧客情報が大量に流出した事件。元システムエンジニア(SE)の男は、他人の個人情報を売った金であるものを買っていた。 昨年12月11日、東京地裁立川支部。不正競争防止法違反の罪に問われた元SEの松崎正臣被告(41)は証言台で、黒縁の眼鏡の奥から裁判長を見つめた。 弁護人「あなたが個人情報をコピーして、売却したことは間違いないですね」 被告「はい」 起訴状によると、被告は勤務先だったベネッセ子会社の多摩事業所(東京都多摩市)内で、ベネッセの顧客データベースに接続。名前や生年月日、住所などの個人情報約3千万件を私有のスマートフォンに転送し、名簿業者に示したとされる。被告は当時、システム開発に携わっていた。 弁護人「売却を思いついたのはいつですか」 被告「平成25(2013)年7月。スマホの充電を忘れて、業務用パソコンにつないで充電したら、(スマホが)外部の記
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