フリー打撃で前後を打つことになった時にそのバッティングを初めてじっくりと見た。音に違いを感じた。 「ボールを捉える音が違った。打球音が違ったんだ。今まであまり聞いたことがないような音だった。ボールを芯でしっかりと捉えるとこういう音がするものなのかと思ったね。もちろん、飛距離も違った」 最初は野手だと思っていたが“兼”投手。今や誰もが当たり前のように口にする二刀流だと聞かされた。打者としてのセンスは一目で分かったが、二刀流への挑戦には当初はやや半信半疑だった。しかし、それも実戦を目のあたりにして評価を変えた。 「最初に聞いた時には『へえ、ピッチャーもやるのか』程度の感想だった。身近でその投球を見て、ビックリしたよ。ストレートはもちろん速い。それにストンと落ちるフォークにスライダー。そうか、彼は特別な選手なんだと理解したね。今でもメジャーではあの落ちる球で三振を取る確率が高いと思うが、あの頃か
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